未経験だけど社会人が受験する応用情報技術者試験と有利な点

応用・基本情報資格

わからねぇ・・・(コラ)

こんにちは、はっちです。

今回は学生時代に取得した基本情報処理から20年経過した今、応用情報技術者試験(AP試験)を受験しようと思い勉強しています。

そんな情報の世界から離れた人が、応用情報を受験しようとすることは無謀なのか?

それとも希望が見えるのか?

少し迷っている方に道しるべになればと思います。

応用情報はしっかり応用だった

応用情報技術者試験は春と秋の年二回開催されています。

試験は午前と午後に分かれており、それぞれ試験時間は2時間半。

この長時間の中、問題を解く必要があります。

もうこの試験時間から”応用”感が出ています。

この試験の合格率はおおよそ20%前後。5人に1人しか合格できない試験ではありますが、統計情報を見ていると、内、75%もの人が情報処理系の仕事に従事している人です。

応用情報技術者試験は社会経験のある人に取り組みやすい試験であり、実務経験があるとさらに+αに働きます。

その人たちが受験して20%前後ですので、難易度はかなり高いことになります。

見ていると面白い試験統計情報

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)のHPには受験者の様々な試験統計情報が掲載されています。

合格者最年少と最年長などもあり、応用情報技術者試験の最年少は11歳、最年長は72歳となっています。

IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は経済産業省のIT政策実施機関です。多彩な施策でデータとデジタルの時代を牽引し、安全で信頼できるIT社会を実現します。

11歳って漢字・・・それに目をつぶっても午後の問題解けるのはすごい。。。

ちなみに、ITパスポートは7歳(!?)、最年長は86歳となっています。

一応情報は”応募時点”となっているため、+1歳になっている可能性はありますが、それでもすごいですね。

他にも年齢別、業種別、最終学歴別、経験年数別なんてのもあります。

そしてIPAの公開している令和4年度の得点分布表も面白いです。

得点 午前試験 午後試験
90点~100点 54名 8名
80点~89点 1,047名 347名
70点~79点 5,100名 2,299名
60点~69点 9,267名 5,173名
50点~59点 8,191名 4,913名
40点~49点 5,605名 2,177名
30点~39点 2,460名 430名
20点~29点 449名 62名
10点~19点 14名 19名
0点~9点 2名 1名
合計 32,189名 15,429名

午前試験で合格点数(60点以上)取れないと、午後は採点されないようなので、合計人数から、おおよそ午前中で半数以上の人が落ちていることになります。

そして、午後においてもおおよそ半数程度の人が残念な結果となり、25%程度の合格率となっているようです。

午前問題が0点~9点の人はおそらく狙っているんでしょうね。4択問題で全てマークした上でこの点数取れる人は合格でもいいんじゃないかと思います(苦笑)

 

横道にそれてしまいましたが、午前は全問解答の知識問題、午後は実務応用を背景とした記述式を含む選択問題です。それぞれの問題についてざっくり各2時間半の問題の中身を見ていきましょう。

午前:応用情報の知識を試す選択問題

午前中の問題形式は、基本情報処理やITパスポートと同じ選択問題です。

一例としてITパスポートの問題を挙げます。

トランザクション処理におけるACIDとは?ということは知っていることで解ける問題です。

若干ほかの選択肢がやらしい。

答え、イ

一方、応用情報技術者試験では次のような問題が出題されます。

この問題の場合、PMBOKのプラスの影響を及ぼすリスクを知っているうえで、”強化”がなんであるかを分かっていなければ、自信を持って選択肢を選ぶことはできません。

情報の知識を応用した問題が出題されることが多いです。

答え、エ

と言っても、なんとなく問題文をよく読めば、答えは想定できてしまうものでもあります。

また、考える問題として次のような問題もあります。

覚えていれば解ける、という問題はそれほど多くなく、意味を考えて問題を解く必要があります。

答え、イ

このような問題が午前中の2時間半で80問。やはり応用情報技術者試験という名前だけあって、知識を応用して解かせる問題が多いので時間はかかってしまいます。

ただ、それでも午前問題はまだ楽。

過去問からも出題されますし、良く分からなくてもなんとなく解ける問題もあります。

午後:情報処理技術を用いた記述式長文問題

午後からの問題は全11問中、5問を解く選択問題形式です。ただ、一問当たり4~5ページのも渡る長文を読んで解答する必要があります。

午後で出題される問題は、午前の知識問題に対して、その知識を活かしてどのようにプロジェクトを進めていくか。という視点で出題されるため、実務を背景にした問題が出題されます。

そして一番の難関が記述であるということ。

全てが記述ではありませんが、半分程度記述を求められます。

また厳しいのが、文字数制限。

20字以内で答えよ。など、かなり内容をまとめて記載する必要があります。

出題例

文字数制限があるため、何を問われているのかを正確に問題文と本文から読み取り解答する必要があるため、ここが応用情報技術者試験の最難関と言えるでしょう。

余計な含みを持たせた解答は許さないよ。

そんな感じさえします。

午後問題の選択はどうするか?

これらの問題は、11分野からそれぞれ出題されるため、自分の得意な分野の選択、もしくは、知らない分野の非選択などを考慮することができます。

自分のような20年も情報の世界から離れた人からすれば、システム開発、システム監査などはかなり疎い話ですし、当時は勉強していたプログラミング、また、基本情報処理試験ではほぼスルーできたデータベースなどは非常に難易度が高く感じます。(何が書いてあるかわかりません)

また一方で、経営戦略、サービスマネジメントなどは実社会において、似たような例が多くあるため、問題文を読んで経験から回答を想像することもできます。

逆に、実際に実務でこのような仕事をしている人からすれば、かなり有利になるものと思われます。

午後の問題の選択については下の記事で詳細にまとめてみました。

[応用情報]社会人と学生が選ぶべきおすすめの午後問題+受験体験記
こんにちは、はっちです。 今回は20年ぶりに情報系試験、応用情報処理試験を受験してきました。 はっち この応用情報技術者試験問題ってどこまでページ続くんだよ・・・ 学生や社会人におすすめの応用情報の午...

※ 友人はデータベース関連の仕事をしていたため、そこと、プロジェクトマネジメントで結構点数稼げたと言っていました。

午後問題こそが応用情報技術者試験

午前で出題される問題も、”応用”問題ですが、午後に至っては、実務に用いられる考え方などを要求されます。(実際には知らないので机上の話なのかもしれませんが)

どのように業務が進められているのか、どのようなことが検討されているのか、またどんなシステムを導入すると効率的な仕事ができるのか。

情報技術者として必要な体験を、試験の中でさせていただいているようです。

また一方で、このようなプログラムを組みなさい。SQL構文の組み方などの専門知識は必ずしも必要であるとは限りません。基本情報技術者試験ではそのあたりのプログラミング知識は必須ですが、応用情報技術者試験では選択問題となるため、実は避けることができてしまいます。

ですので応用情報分野では、効率的なプログラムを構築する、というよりは、ソフトウェアをどのように開発し企業に展開していくか、という視点になっています。

極端なことを言ってしまえば、

プログラミングしたことない人でも受験し、合格することが可能です。

ただそのためには、学んだ情報の知識をしっかりと応用できる能力が必要となります。

高度情報処理試験と応用情報処理試験

IPAによると情報技術者レベルは次のように区分されています。

レベル1 ITパスポート

レベル2 基本情報処理、情報セキュリティマネジメント試験

レベル3 応用情報技術者試験

レベル4 高度情報技術者試験(分野別)

応用情報処理試験の上のランク(レベル4)には高度情報技術者という群があり、

・ITストラテジスト試験

・システムアーキテクト試験

・プロジェクトマネージャ試験

・ネットワークスペシャリスト試験

・データベーススペシャリスト試験

・エンベデッドシステムスペシャリスト試験

・ITサービスマネージャ試験

・システム監査技術者試験

・情報処理安全確保支援士試験

と区分されています。

最初はこれだけ分ける必要があるのはなぜだろう?と思っていたのですが、勉強してみると分かります。

それぞれの分野に特化した知識が必要である上に、分野ごとに深い関係があるわけではありません。

実務をする上で、必然的にどこかの分野に特化していくことになるため、このような試験区分になっているものと思われます。

一言でSE(システムエンジニア)と言ってしまうのと同様な例で、ゼネコンなどでは、建築関連の仕事しています。といってしまうかもしれません。

その中には建築、土木、電気、空調、衛生。はたまた、それぞれの職人さんも含めて多くの分野を含んでいます。これらの分野も相互に関係はしていますが、分野に必要な知識はまったく違いますよね。

そのため、応用情報技術者試験では、これらの分野の入り口に立つだけの知識がある、ということを示しているようです。電験で言うと電験3種みたいな感じです。

年を取ってから応用情報技術者試験は無謀なのか

難易度の高い資格試験は若いうちに取っておかないとかなり厳しいよ。

そんな話を聞いていましたが、実際に情報系の試験は経験が無いと覚えることが非常に多く、そういった傾向は、より強い方かと思われます。

ただ、応用情報技術者試験やそれより上の高度情報処理試験は、通常の能力に加えて、実務的な能力が試されます。

この実務的な能力は、例え別分野の仕事をしていても、同じ仕事の考え方が用いられていることが多く、似たような問題に直面することや、解決策を提案することは、仕事をするうえで多いのではないかと思います。

年を重ね、社会人経験もそれなりに長くなってきました。

もちろん仕事の仕方によっても変わるかと思いますが、今まで仕事をしてきた経験は、応用情報技術者試験には有利に働きます。

これは一つの大きな武器です。

それも汎用性がかなり高い。

おっさんだから、年を取ったからとあきらめるのはまだ早い。

情報系試験の中でも難易度の高い応用情報技術者試験。

基本的な情報の知識は必要ですが、問題を通して、情報技術者の社会を垣間見えるような気もするため、問題を解いていて非常に面白いと思う場所も出てきます。

社会経験を積んだ今だからチャンスかもしれません。

がんばっていきましょう。

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