電機業界では花形資格の電験。
その中でも大型のビルなどで使用される特別高圧受電の5万Vまで監理できる電験3種はそれだけの大型物件を管理できる資格なだけに、受験者数は多いのですが、合格するための難易度も非常に高くなっています。
では、実際にどれぐらいの人が合格しているかを電気技術者試験センター公開資料よりまとめてみましたので、ご活用いただければと思います。
電験3種13年間の合格率のまとめ
公開されていた2007年~2020年までの14年間のデータです。
これをグラフにすると。
合格率1桁%ってどんな人が受かるの?と思ってしまいそうなグラフです。
さらに恐ろしいことに、電験3種は科目合格制度があります。
科目合格制度とは 1年ですべての科目を取らなくても科目毎で合格を認めてくれる制度です。
科目合格後から2年間の合格持越しができるため、数年にかけて勉強すればよく、合格しやすくなっています。
この科目合格制度を利用すれば、必要4科目を3年かけて勉強するということも可能です。
逆に一年で一発合格する確率はかなり低いものになると想像されます。
科目ごとの合格率の詳細
次に科目合格された方の科目ごとの合格率を見てみます。
平均値より上下1割以上差が付いている箇所について色分けしています。(赤色:平均値より1割下 青色:平均値より1割上)
これをグラフにすると。
上の方ががら空きのグラフになってしまいました。
続いて4科目合格者、いわゆる電験3種取得者の中での科目ごとの合格率も公表されています。
基本同様なグラフになっていますが、4科目合格者の科目合格率は科目合格者と比較して5%ほど高めです。
最初に掲載したグラフとの違いは、不合格者の中の科目合格率か、合格者の中の科目合格率かの違いです。
科目ごとの詳細を見たい方は別記事で紹介しています。

電験3種の科目毎の合格点数の推移
その年の試験難易度によって調整が入る可能性がある合格ライン。
通常は60%の60/100点なのですが、年ごとに次のようになっています。
※ 2009年~2014年は換算値の直近上位を採用しています。
かなりの頻度で合格ラインの調整が入っています。
電験3種はこれを持っていないと従事できない電気主任技術者という職務があります。
社会に必要とされている人数を調整しながら合格者を出していると思われるため、このような調整の上で合格者数を調整していると思われます。
もし60%の合格ラインに達していなくて、試験難易度によっては合格する可能性もありますので10月中頃の合格発表をお待ちいただければと思います。
持っていれば就職にも転職にかなり有利と言われる電験3種。
かなりの難易度ではあるのですが、電気の世界で仕事するために必要な知識がたくさん詰まった試験になっています。
興味を持って勉強していただくことで、より頭に定着しやすく合格につながるので無いでしょうか。
また、今回の電験3種の勉強で電気の世界に興味を持てば、2種、1種と目指していくのも技術者として尊敬されると思います。
がんばってください!
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