電験3種の合格率・合格点数の推移を科目毎にまとめてみました

電験3種

電気の管理者になるためには必須の資格であり、花形資格の電験。

その中でも大型のビルなどで使用される特別高圧受電の5万Vまで管理できる電験3種はそれだけの大型物件を管理できる資格なだけに、受験者数は多いのですが、合格するための難易度も非常に高くなっています。

では、実際にどれぐらいの人が合格しているかを電気技術者試験センター公開資料よりまとめて見やすくしましたので、ご活用いただければと思います。

電験3種合格率のまとめ

まずは、公開されていた2007年~2022年までの16年間のデータです。

電験3種 合格率

これをグラフにすると。(2022年から上期(.01)下期としています。)

電験3種 合格率

平均合格率8.4%。近年では少し上昇傾向ですが、コロナ禍のためか受験者数は減少してきています。

このグラフを見ていると、

合格率1桁%ってどんな人が受かるの?

と思ってしまうグラフです。

さらに恐ろしいことに、電験3種は科目合格制度があります。

科目合格制度とは 1年ですべての科目を取らなくても科目毎で合格を認めてくれる制度です。

科目合格後から2年間の科目合格の持越しができるため、数年にかけて勉強すればよく、合格しやすくなっています。

この科目合格制度を利用すれば、必要4科目を3年かけて勉強するということも可能です。

この科目合格制度がある中での平均合格率8.6%という狭き門。

逆に一年で一発合格する確率はかなり低いものになると想像されます。

電験3種の一発合格率はどれぐらい?公表されているデータから絞ってみる。
電気主任技術者の資格に必要な電験3種。 通常資格試験には合格率が掲載されていることが多いのですが、主催している電気技術者試験センターは少し変わった合格率を公表しています。 最終的な合格率は...

科目ごとの合格率の詳細

次に科目合格された方の科目ごとの合格率を見てみます。

電験3種 科目合格率

平均値より上下1割以上差が付いている箇所について色分けしています。(赤色:平均値の10%以下 青色:平均値の10%以上

これをグラフにすると。

電験3種 科目合格率

科目毎の合格率でもかなり低いことがわかり、上の方ががら空きのグラフになってしまいました。

続いて4科目合格者、いわゆる電験3種取得者の中での科目ごとの合格率も公表されています。

基本同様なグラフになっていますが、4科目合格者の科目合格率は科目合格者と比較して5%ほど高めです。

最初に掲載したグラフとの違いは、不合格者の中の科目合格率か、合格者の中の科目合格率かの違いです。

電験3種の科目毎の合格点数の推移

その年の試験難易度によって調整が入る可能性がある合格ライン。

通常は60%の60/100点なのですが、年ごとに次のようになっています。

電験3種 合格点

※ 2009年~2014年は換算値の直近上位を採用しています。

かなりの頻度で合格ラインの調整が入っていますが、近年は60点で固定しようとしている動きも見えます。2022年上期の機械、法規はかなり難易度が高かったのですが調整がそこそこに抑えられた気がします。

 

次に科目ごとにピックアップしたものを掲載しています。

使用しているのは科目合格率のデータから抽出しています。グラフの上限が100%で無く、変化の度合いがわかりやすいように30%にしてあることに注意して下さい。

各年度毎の過去問全体の難易度の見方として見ていただければと思います。

電験3種 理論科目

電験3種 理論 合格率

全体として安定していますが、それでも合格率が1.5倍程度の差がある時がありますので、難易度の違いはありそうです。

2021年は問題の形式が少し変更になったことで合格率が下がりましたが、2022年上期は前年のような問題が多く、合格率が戻った印象です。

合格ラインは以下のようになっています。

電験3種理論 合格ライン

近年は安定傾向ですが、毎年ー5点前後の調整が入っている年が多いです。ただCBT方式の採用を目的として合格点数を60点に固定するのではないかとの考えもあります。

※ 赤線は標準の合格点(調整なし)です。

電験3種 電力科目の合格率

電験3種 電力 合格率

電力の合格率はその差に2倍以上の開きがあります。

合格ラインは次のようになっています。

電験3種 電力 合格ライン

取り組みやすい年度とそうでない年度とありますので、過去問に取り組む際は年度に注意してください。調整は入る可能性が高いですが、こちらも60点固定になる可能性が高いです。

電験3種 機械科目の合格率

電験3種 機械 合格率

機械科目は範囲も広く難しいときはかなり難しいイメージです。

2020年度、2022年上期はかなり厳しい戦い。合格ラインも下グラフで表していますが60点とかなり高いラインになっています。

合格ラインは以下のように推移しています。

電験3種 機械 合格ライン

近年難易度が振れています。2020年と2022年が厳しいですが、中でも55点の調整で6.9%の合格率は近年ではかなり厳しい方です。

電験の機械科目は苦手とする人が多い分野です。そのためか最後まで油断できません。少しでもイメージできるようにすると良いと思います。

電験3種 法規科目の合格率

電験3種 法規 合格率

合格ラインは以下のようになっています。

電験3種 法規 合格ライン

以前に比べるとかなり難化してきているようです。法規と言えども電気事業法だけでなく、電技の解釈、ガイドラインなどからも引用されているので、主任技術者として必要な法律の知識を幅広く勉強する必要があります。

平成23年に技術基準の大改正がありました。法規の勉強はできるだけ新しいのが望ましいですが、最低でも平成23年以降出版の参考書を使うようにしてください。

電験3種合格ラインの変動から見て取れること

電験3種は4科目合格することで無事合格となるわけですが、その年によって難易度も違えば、科目毎の合格率も変わってきます。

ただ、近年ではCBT方式を見越してか、合格点を60点に固定しようとしている気がします。そのため、科目合格率がかなり変動しており、問題の調整を図りながら合格者数を調整しようとしていると思われます。

2022年度から試験回数が年2回になることで、合格者数が増えるとは思いますが、全体的に難易度を上げることで、合格者数を調整してくるかもしれません。

CBT方式の体験については別記事で紹介しています。

[新制度]電験3種のCBT方式のパイロットテストを体験してきました。
受験しやすく運営側のメリットも大きいCBT方式ですが、電験3種という難関資格に適用するにはちょっと弊害が多い気がします。今回はCBT方式での電験3種試験の様子を紹介したいと思います。

電験3種の勉強方法

個人的におすすめする勉強方法ですが、電験3種は初年度だからと言って、得意科目だけ頑張ろう、苦手科目だけ先に重点的に勉強して安心しよう。というのはおすすめしません。

電験は4科目別々のようでつながっています。ある科目だけ重点的に勉強していくよりも、それぞれの科目を勉強することで分かってくることもあると思います。

合格には遠回りのようで近道になるかもしれません。少しずつでも勉強を進めていくことが知識の定着につながると思います。

ただ、時間が無くてどうしても。

というのであれば優先が”理論”、次点で”得意分野”を優先するのが良いかなと思います。

理論は他の電力、機械の仕組みを理解するために必要になりますし、法規にも計算問題は出題されます。先に計算力を要請しておくのはすべての基礎になると思われますので、時間が無いなどの場合は理論を先に勉強することをおすすめします。

得意分野はモチベーションの維持のためです。理論が苦手な方に、

ずっと理論をやりなさい。

というのは酷です。得意分野を勉強することで、勉強を少しでも得意にしてもらえればと思います。

また、社会人であれば中々勉強時間が取れないということもあるかと思います。

その中で効率的に勉強を進めていくためには、大きな動機が必要です。

個人でそれが保てる方であれば、4科目の参考書を購入して何周かするのが良いかと思います。特に管理人のように、久しぶりに勉強する!という方は、次の参考書が絵も多く、見えない電気の世界をイメージしやすい参考書かなと思います。

かなり分厚いですが^^;

電験3種はこれを持っていないと従事できない電気主任技術者という職務があります。

社会に必要とされている人数を調整しながら合格者を出していると思われるため、このような調整の上で合格者数を調整していると思われます。

もし60%の合格ラインに達していなくて、試験難易度によっては合格する可能性もありますので10月中頃の合格発表をお待ちいただければと思います。

一般財団法人 電気技術者試験センター

持っていれば就職にも転職にかなり有利と言われる電験3種。

かなりの難易度ではあるのですが、電気の世界で仕事するために必要な知識がたくさん詰まった試験になっています。

興味を持って勉強していただくことで、より頭に定着しやすく合格につながるので無いでしょうか。

また、今回の電験3種の勉強で電気の世界に興味を持てば、2種、1種と目指していくのも技術者として尊敬されると思います。

がんばってください!

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