はじめて電験1種試験を受ける人に1種と2種の一次試験の違い

勉強法

こんにちは、はっちです。

今回は電験2種以上になると出てくる一次試験と二次試験の内、前哨戦である一次試験の違いについて見ていきたいと思います。

どちらも鬼の二次試験の前哨戦かと思いきや、かなり性格が違ってきています。

2種試験をさらっと通った後でも1種一次試験でつまづく人が多いのは、こういう違いもあるのかと思います。

電験2種以降の一次試験

一次試験は電験3種と同様に多肢選択式ですが、3種の1問に対して5択と違い、2種以降は小問5問程度に対して15択です。

3種理論の選択肢

3種 選択肢

2種理論の選択肢

2種理論の選択肢

3種と同様に科目合格制度を使用しており、3年で4科目合格できれば一次試験合格となり、二次試験への挑戦権が得られます。

電験3種と基本構成はほぼ一緒。試験時間も問題数もほぼ一緒ですので、内容が同じようなものだと思っていると戸惑うかもしれません。

A問題とB問題の配点の違い

電験3種試験ではA問題5点、B問題10点の100点満点となっていますが、電験1種、2種はそれぞれ1種80点2種90点が満点となっており、またA問題、B問題の配点も違います。

2種一次試験は3種と同様にB問題の方が配点が高いと思いきや、A問題の配点が高くなっています。

1種試験と2種試験では問題数はほぼ変わりありませんが、理論を例に取れば、A問題4問。B問題2~3問(内選択問題2問から1問)

2種 一次試験 

A問題 15点/問(×4問)=60点

B問題10点/問(×3問)=30点 (90点満点)

 

1種 一次試験

A問題 10点/問(×4問)=40点

B問題20点/問(×2問)=40点 (80点満点)

2種試験はA問題に配点が高く、1種試験はB問題の方が配点が高くA問題の倍の配点になっています。

1種試験ではB問題の2問だけで、試験の半分の点数を占めています。

それだけB問題に重きを置いており、理論において定番となる三相不平衡回路計算は、このB問題で出題されることが多く、もう一つは、電子理論やトランジスタ、オペアンプなどが多く出題されます。

A問題については高度な数学が要求されることもあれば、回路問題や過渡現象などが出題されます。

一方、2種試験はA問題に過渡現象や磁界に関する問題などの定番問題が出題され、B問題は電子理論やトランジスタ、熱などが出題されます。

A問題、B問題、また難易度は違えど出題の形式は1種と2種と変わりはありません。

ですが、重きを置いている部分は、ほぼ真逆になっています。

ここから見られる思いとしては、3種から2種へのステップアップ時には、定番問題の実力を図り、1種受験では、2種でおろそかだった部分について重点的に勉強させる。

そんな感じがします。

当初は、とにかく実力不足で過去問を研究する余裕などほとんどありませんでしたが、改めて見てみると過去問を見て傾向を知るのは大事ですね。傾向がはっきりしている分、自分の弱いところや得意なところを知り、個々人で効率の良い勉強をしていくことができます。

これは他の科目でも同様です。

1種の機械科目など、これが最後だと言わんばかりに、配点の高いB問題に照明や熱、電気化学などが出題されます。

2種よりも先を見据える人は、出る出ないに関係なく勉強をしておいた方が後から楽かと思われます。

一次試験と二次試験の関係

試験は一次試験と二次試験で完結するため、基本的に一次試験で出題された内容と被って二次試験で出題されることは無いかと思われます。(分野のかぶりはあります)

このことから、一次試験で出題された範囲については、ほぼ二次試験では出題されないため、とてつもなく広い勉強の範囲を傾向から少しだけ減少させることができます。

ただ、一次試験と二次試験では試験が多肢選択式か、記述式かでまったく出題の質が違います。

電験2種 二次試験

また二次試験では論説問題か計算問題かでも大きく変わってきます。

傾向を見ることは大事ですが、絞りすぎることには注意しておいた方がよいです。

1種と2種の難易度の違い

電験1種と2種と違うんだから、難易度は違うにきまっているじゃないか

確かにそうなんです。

ただ、それぞれの問題が2種は1種を見据えたような問題が出題され、1種はまたその先を見据えたような範囲から出題がされます。

ただ、それは2種の場合、2種二次試験を含めたその先を見ている気がしますが。1種試験の場合、二次試験を見据えているという感じは無く、各分野についてそれぞれの先を見ているような気がします。

微分、積分はもちろんですが、\(div\)や\(rot\)などに触れることで、まだ先の広がりを感じさせるような問題かと思います。

電力、機械についても同様で、1種まで来ても、まだその入り口に立ったような感触は否めません。

そういう意味でも、2種一次試験は3種の延長。3種をしっかり勉強していれば、それほど苦労しない(ちょっと耳が痛い)というのも分からなくもありませんが、1種一次試験は別物ととらえた方がよいかと思います。

法規は別ですけどね。やはり法律という枠なのか。3種では鬼門だった法規も2種、1種となると、かなり法律という文章に慣れてきます。法規に関しては3種から1種までそれほど難易度に差があるような気はしません。電圧の違いによる範囲の広がりぐらいかなと思います。

しっかりと過去問から傾向を見ておくと、比較的楽になるかもしれません。

 

ということで、3種から2種と1種へステップアップする場合の一次試験の違いについて書いてみました。

具体的な参考になるわけではありませんが、相手を知ることは、試験勉強を楽にすることができます。

広すぎる範囲を闇雲に攻め入るのではなく、ポイントを絞って戦略を組み立てていきたいですね。

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