理論科目は電験2種一次試験の中でも最難関と言われています。
知識を問う、電力、機械、法規と違い、純粋に立式から計算力を求めてきます。
3種の理論もそこそこ難しかったのですが、2種になると微分積分は当然、ベクトルやラプラス変換などにも知識が必要です。
それ故か、現役時代を離れて久しい社会人は苦手とする人も多いようです。
じっくり見ていき対策をしていきましょう。
合格率から見る、電験2種”理論”勉強対策
まずは電験2種理論科目の科目合格率です。
一部を除き大体1割~2割の合格率。理論科目の厳しさが伝わる表になってしまいました。
これは他の科目に比べてもダントツに低いです。
最新の合格点や合格率については以下のリンク参照してください。
知識部門は色々と関連付けて覚えることができるのですが、計算は何度も問題をこなして、訓練する必要があります。
それ故、就業している人にとって、普段仕事で触れにくい(電力などに比較して)計算の分野は苦手な分野でもあると言えます。
ですが、この理論分野は避けて通れません。
何せ二次試験ではこれよりも凶悪な計算問題が控えておりますので。
逆に言えば、ここで頑張っておくと、二次試験の基礎を作ることが出来ます。
一次試験も二次試験も勉強できる!
と思うとモチベーションが上がってくるのではないでしょうか。
また、ライバルに差をつけられる分野でもあります。
しっかり勉強していきましょう。
理論の勉強で使用したおすすめの参考書
問題の中に微分やら積分、またさらに訳のわからない記号、公式みたいなもの。
うっわ~と思うことが多いのですが、その中身は実はそれほど難しくなく、じっくり考えればわかるものも多いです。
まずはそれを踏まえてこちらの”いちばんよくわかる電験2種数学入門帖”から勉強しました。
ただこの入門書・・・ではあるのですが、微分積分や三角関数の基礎から始まり、実際の電験2種で出題された例題を使って、合格に必要な数学について解説してくれています。
若干見にくい気がしますが、内容は丁寧です。また第三版は色が増えて見やすくなっています。
当時この本で勉強した時は、例題として掲載されている2種の問題は解けませんでした。計算の過程だけ分かればいい。そういう感じでした。
例題は難しすぎるので一次試験受かったらかな。という感じです。
そして、この本を一周した後、本格的に理論の勉強をはじめました。
一周だけです。どの範囲が電気数学として必要なのかを確認し、後は理論の勉強をしながら戻ってくることになります。
この”これだけシリーズ”は電験2種の参考書の中でも格段に読み進めやすくなっています。
大抵の電験2種の参考書は電験3種の知識を前提としているため、完全に3種のことを忘れてしまっている自分には何を持ってしても読めませんでした。
(基本問題の一例)
それでいて、簡単すぎることはなく、基礎をしっかり身につけるためにはとても良い参考書だと思いました。
非常にうれしい配慮です。やはりどうしても試験が終わると忘れてしまいますしね(言い訳)
ただし、その分、問題数は少なくなりがちです。
一方で、掲載されている問題はかなり吟味されているような感じです。
良くある定型な問題はほぼ掲載されていますし、その問題を理解できていれば、過去問などで、応用力もさらに磨けるようになっています。
2種スタートから合格ラインまで到達できるような参考書です。今は改訂版が出ているみたいですね。
行間も広く読みやすい。自分のような初学者(じゃないけど)にはオススメです。
参考書は十分な知識量を求めてくることが多い
良くある参考書というと、必要十分な知識量を求められることが多いです。
参考書作成側の気持ちとしては、
参考書に載っていなかった。あれはダメな参考書だ。
とは言われたくないですからね。やはり出題されそうな知識は全て網羅したくなります。
ただ、その結果、参考書が求める知識量が膨大になり、ほぼ100%のカバーをしようとしてしまいます。
試験合格は60%です。
電験2種は非常に範囲が広く、求められる知識量は膨大という性質もありますが、これだけシリーズは、合格に必要なラインまで到達するための参考書になっています。
その分、掲載される問題の質は高いものである必要がありますが、そのあたり非常に吟味されています。
実際に、電験2種勉強開始から3か月。ほかの3科目と並行で進めてきましたが、無事合格点に達しています。
ただ、勉強時間の話をすると、4科目中一番勉強時間は長く取りました。
これだけ理論以外にも参考書は購入しましたが
これらを使って、合格点に達することができましたが、実はそれまでに電験3種理論という本を購入しています。
ただ、、、挫折しました(汗)
自分のレベルの低さを知っていましたので、
電験3種からじゃないとね~
と思い勉強を始めたのですがダメでした。
すぐに分からなくなったことと、なんだか回り道をしているような気になったのが一番の要因でした。
そこでこれだけ2種理論をやってみたところ、案外すんなり進めたのです。
もちろん分からないところだらけだったのですが、分からないところに気が付けた。分からないところが順序だって理解できるようになっていた。
というのは大きかったです。
参考書でよくある。
この程度も分からないのなら門前払いだ。
という感じはほとんどありませんでした。
3種の問題集を見ているときは、何を調べ、勉強すればいいのか分からなくなったことから、モチベーションが減少していった気がします。
電験の一番の敵はこのモチベーションの低下だと思います。
仕事もあり、家族もあり、その中で勉強するということはかなり大変です。
あ、なるほど。と思いながら進められるというのは非常に重要であり、そういう意味でも
これだけ理論はオススメできるものと思います。
理論勉強開始から過去問までの道のり
管理人のレベルはここを見てもらうと、悲惨なレベルというのがわかるかと思います。
このリンク先のように、電気工事士2種レベルですら解けませんでした。
10数年の月日は長い
鳳・テブナンの定理と言われて、なんのことだったのかも思い出せないレベル。
ですが、そこは”これだけシリーズ”。
丁寧に解説が書かれており、何より計算過程の省略がほとんどありません。
自分の行った勉強は次のような理解度で進んでいきました。
横軸は月を表しています。(5月~一次試験の8月末)
電気数学入門で初歩の初歩から勉強したのですが、これだけ理論でつまづきました。
ただ2周目で一気に色々とわかってきました。最後はちょっと安心したので伸び率が悪いです。
最初、積分ってどうやるんだっけ?
加法定理ってシンコスコスシン?角度の話ですよね?
ぐらいのレベルが0の辺りです。
その後、他の科目の勉強と並行しつつ、理論の2周目を開始します。
2周目になると、0から問題を解くことは難しくても、公式や要点をさらっと目を通せば、問題の解き方がわかるようになります。
1周目と2周目に知識量の大きな違いは無かった(覚えれない)のですが、電気の問題を解くことに非常に慣れてきた事に気が付きました。
例えば、電流の分流について、毎度毎度電流は抵抗の逆比だから・・・考えていたのが、何度も出てくる回路の問題を解いているうちに、すっと頭から出てきたり。(レベル低い^^;)
磁束Φが電流Iに比例する理由についても、公式を並べてするすると出てくる様になりました。
この2周目からが勉強の本番です。しっかりと解き方を覚えて1問ずつクリアしていきます。
1周目で頭の下地を作って、2周目で叩き込んでいきました。
2周め終了した時点で、過去問(理論)を解いてみよう。
過去問を問いてみるとわかるのですが、最初面食らってしまうような問題が普通に出てきます。
ですが、じっくり文章を読んでみると、案外解ける問題も多いハズ。
また、最初から最後まで解けてしまう問題も出てくると思います。
さて、解けなかったものも含めて自己採点してみましょう。
ここで合格点が過去何年か分で取れれば、少しだけ安心してください。少しだけ。
ちなみに、ここで解けなくても大丈夫。むしろ解けないことがわかることも大事。
初見で解かなくてはいけない問題が多数あることを理解しておきます。
それだけ難関ということも踏まえて、最初からじっくり取り組みました。
仕事しながらということもあって日に1.5~2時間しか勉強時間が取れないため、1単元は理論、残りは他の3科目を進める。というように理論を軸に勉強を進めます。
理論科目の最大の敵”時間”
自分は当日受験するまでこの”時間が大事”ということに気が付くことができませんでした。
理論は他に比べて時間が足りなくなる。ということは過去問を問いていて気がついていたのですが、
1問辺り15分程度で解ければ問題無し。15分あれば余裕。
そう思っていました。
甘かったです。
参考書を何度もやっていれば解き方がわかります。そのうえで練習問題は15分あれば楽勝です。
ですが本番はどんな問題が来るかわかりません。
見たことのある問題であれば解くことができても、見たことのない問題があった場合考える時間が追加されます。
また他の問題も解かなくてはいけません。
結果生じてしまう”焦り”
この焦りがまともな思考を許してくれなくなります。
リンク先は当時自分が受験した時の状況です。焦りから頭がおかしくなっています(汗
まとめと最後に
3種の時は、完全に別分野だと理解していた理論、電力、機械、法規の4科目ですが、2種の範囲まで掘り下げると色々と繋がっていることがわかります。
※3種の段階でも気がついている人は多い気がします。
理論で意味不明だったベクトルオペレーターの話を機械で理解したり、機械で学んだ同期発電機を水力発電所で復習したりと様々。
最終的には理解する必要があるのですが、段々と追いついてくるはずです。
合格率が低いことを踏まえて重点的に勉強する必要がある理論。好きな参考書を何度も繰り返し行い、苦手なところは再復習をしておきます。
とにかく過去問で、問題に慣れておき、本番で見たことのない問題が出ても慌てず騒がず解けるところまでチャレンジすることが大事です!
理論の問題は解き切らないと解けた気になりませんが、電力などに比べると大問全答は比較的楽です。電力、機械などは問題の最後に行けば行くほどマニアックになる気がします。そのため全答というのが中々難しい。
ひっくり返せば、途中まででも案外点数はあります。解けなかった・・・と思っていても合格の可能性はありますので解けなくても諦めずに最後まで、時間いっぱい解ききりましょう。
そして体調はしっかり整えていきましょう。(はは・・・)
コメント
はっちさん、こんばんわ。
はっちさんって、二種を一発で合格したのでしょうか!?
だとしたら凄いです!
自分も昨年に初受験でしたが、体調万全なのに理論なんて30点しか取れませんでした(笑)
機械も50点で不合格(^ ^;)
今年はその残り2科目と二次試験を倒すべく勉強してます。
二次もそうだと思いますが、理論も試験中にどれだけパニクらないようにすべきかなと反省しました。
昨年の理論は分からない問題だらけで、試験中後半はテンパりまくって真っ白状態でした(半笑)
難問は少なからずあるので、二次と同じ様に最初にざっと全ての問題の難易度を仕分けする時間が2、3分くらいあっても良いかもですね。
ソウケイさん
コメントありがとうございます!コメント返信するのが遅くなってしまい申し訳ありませんm(__)m
私もです。私も理論真っ白でした^^;
問1~3ができなくて焦ってしまったのですが、とりあえず解けるものを解く!ということにし、
問題の問1~3はできるところまで解き(あまり無かったですが^^;)、残りは選択肢を3択まで絞り、
気合の推測で解答しました(←何言ってるのかw)
最初にざっと問題見ておくのは大事ですよね。二次試験になると選択問題になるので、その辺り
非常に重要になってきます。
本当に時間の想定って大事です。一次試験二次試験を通して一番焦ったのが理論でした。
次いで二次試験の機械制御(ここも相当やばかった。また記事にします^^;)
かろうじてですが2種一発合格することができました^^
ですが一次試験は結構ぎりぎり。
二次試験は類似問題が出たこともあり、かなりの部分を運が占めているかと思っています。
実力的には知識が偏った状態でして、今年エネ管を勉強していて新たに色々わかることがあるぐらいです(汗)
試験まで後一ヶ月ですね!
暑い日がまだまだ続きますので体調管理をしっかりしてくださいね!(お前が言うなとか言われそう)
今年は少しの体調不良でも疑われてしまう可能性があるため気分も良くないですしね。
がんばってください!