情報系の資格の登竜門として基本情報技術者試験と応用情報技術者試験があり、当然ですが応用情報技術者試験の方が難易度は高いです。
ですが合格者の声を聴いてみると、
応用情報技術者試験の方が簡単!
という声も聞こえてきたりします。
資格の取り方さんのHPによると、
基本情報技術者試験(FE試験)の偏差値は49
応用情報技術者試験(AP試験)の偏差値は65
と大きく離れています。
一体どういうことでしょうか?(~_~;)
今回は基本情報処理技術者試験(FE試験)と応用情報技術者試験(AP試験)との違いと、なぜ、カンタン!と言われることがあるかについて見ていきたいと思います。
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の内容の違い
最初に冒頭の結論を話してしまうと。
やはり応用情報技術者試験の方が難しい。
というのは当然の話です。
ただ実際にそれだけの偏差値と共に具体的にどんな差があるでしょうか。
さぁ、その理由について一つずつ見ていきましょう。
ちなみに、偏差値自体の違いについては電験の難易度と共に、それぞれを受験した立場から違う記事で紹介していますので気になる方は見てください。
ここからは簡単のため、基本情報技術者試験をFE試験、応用情報技術者試験をAP試験とさせていただきます。
FE試験とAP試験の試験構成の違い
FE試験は科目A、科目Bの二科目。
AP試験は午前、午後の二科目の試験となっており、それぞれ両方の試験で合格しないと試験合格とはなりません。
両者とも、合格基準点数は60%で、科目合格制度はありません。一回で両方の試験を合格する必要があります。
また、受験に必要な実務経験などは無く、誰でも挑戦できる試験です。
試験料も共に7,500円となっています。
FE試験はCBT方式を採用
2023年度からFE試験ではCBT方式(特定の会場のパソコンで行う試験)に変更になり、通年で受験可能になりました。
元々選択問題のみの出題ですので、CBT化することの相性は良かったのではないかと思います。
そのため、以前のような午前、午後問題ではなく、科目A、科目Bという構成になっており、CBT試験の場合、科目Aと科目Bの間の休憩時間は10分となっています。(´・ω・)短い。。。
FE試験の内容
科目Aの試験時間は90分、選択式の問題が60問出題されます。テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系などの知識問題が主となります。
科目Bの試験時間は100分、こちらも選択式ではありますが、一部プログラムを読んで解く必要があります。
内容はプログラムを含むデータ構造及びアルゴリズムが8割、セキュリティが2割とされており、選択問題として特定の言語を用いた出題もされるため、プログラミングの知識は必要となります。
AP試験の内容
AP試験は年二回実施されており、春季(4月中頃)と秋季(10月中頃)との二回実施されます。
午前の試験時間は150分、選択式の問題が80問出題されます。FE試験と同様にテクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系などの知識問題が主となりますが、たいていの問題が応用問題として出題されます。
午後の試験も150分の試験となっており、長文形式の問題が11問出題され、その中から必須問題1問を含む、計5問を選択して解く方式になります。
特定の言語を用いた出題は無く(多分)、プログラミングやデータベースの知識の応用を問われることはありますが、午後は選択問題のため避けて通ることもできてしまいます。
おそらくこのことが、
応用情報技術者試験が簡単!
と言われる一因だと思われます。
プログラミングを避けられたからと言って、簡単なわけではない。
FE試験とAP試験の大きな違いは、情報通信技術についての知識を求められるFE試験と、情報通信技術を応用できる知識を求められるAP試験との違いになります。
AP試験においてはFE試験程度の知識は前提にあるものとして出題がされるため、難易度は相当高くなる傾向にあり、特に午後の問題では、3~4ページほどの問題文から、プロジェクトの進行、アルゴリズムの問題点、エラーの改善点などを抽出し、解決方法の記述、計算問題、構成の変更などを求められます。
150分という試験時間の長さもさることながら、問題文で構成されるICT化の現状を把握し、問題を広い視点で見る必要があるため、基本情報の知識だけでは太刀打ちできない内容となっています。
ただ、一方では、社会人としてプロジェクトをまとめる立場にいる人(非IT系でも)であれば、それらの問題点は比較的容易に読み取ることができるでしょう。
だいぶ分かってきたかと思いますが、応用情報技術者試験の方が簡単!と言っている人たちは、元々長文読解が得意であり、全体を把握できるような総合力を持つような人。さらに応用力を養成するような勉強、もしくは経験をしてきた人ではないでしょうか。
AP試験は応用力の試験です。実務で使用する基本技術は習得しているものとしています。
ただ、その実務においてAP試験で求められる能力は、FE試験の上に成り立っています。
合格できるような頭の良い方であっても、プログラミングの知識が一切無い、という状態では、実際にプロジェクト全体を把握することはできせん。
現場を知らない無茶ぶりばかりするプロジェクトマネージャーに対して、どのような境遇が待ち構えているかが分かるようです。
ですので、そこからの勉強がものすごく大事になります。
では応用情報だけ持っていても仕方がないか?と言われるとそんなことはありません。
やはりAP試験に合格できるような方は頭が良い方です。
そもそも能力の高い方なので、後は必要な知識を詰め込んでいけばいいはずですし、それができる人がAP試験に合格できるものと思われます。
プログラミングは難しい?
プログラミングは面白いですよ。
ひたすら文字と記号の羅列に嫌悪感を示してしまう人も多いかと思いますが、中身はそれほど難しいものではありません。
いや、難しいんですけど。そんな高度なプログラミングは最初から必要ありません。
私も学生時代、300行ぐらいのコードを書いて提出した横で、友人が70行ぐらいで同じ内容を実現されたときは愕然としました。(windowsよりもDOSの方が使いやすいとか言うヤツでした(´・ω・)くぅ)
それから、
もう、こいつには勝てない。自分なりに楽しんでいこう!
と思ったことを思い出します。
そんな感じですが、小さなことからモノ作りを始めて、楽しみながらゆっくり成長していけばいいんです。
我々のような現在40代の人たちは、初期の情報教育において、パソコン触れると思ってウキウキしながら履修したら、半年間、情報の歴史を勉強した。
その間パソコンに触りもしなかった。
のような落胆の時代を過ごしてきています。
そりゃ嫌悪感もありますよ。(´・ω・)ねー
今の時代の子達は、そんなことはせず、iPadで楽しくプログラムを作って学んでいます。
一つのコミュニケーションツールとしても役に立つかもしれません。
応用情報受験者の方に
試験を受けるまでに成長してきた過程は人それぞれです。
基本情報だから、応用情報だからと区別せず、各々の知識を尊重していく必要があります。
応用情報試験という要求される能力の都合上、一部の知識が飛ばされがちではありますが、求められる仕事に応じて、知識を吸収できるような、そんな応用情報技術者になっていただきたいですね。
そしてさらに、上のレベル4の高度情報処理群、また情報工学部門の技術士などを経て、成長していっていただければいいなと思います。
それでは。
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