こんにちは、はっちです^^
エネルギー管理士試験(電気分野)では唯一課目4に選択問題があります。
この選択問題では何を選択するか、また、難易度の高い電力応用分野において力学的問題などをどう攻略するかなどを考えていきたいと思います。
課目4電力応用の攻略を考える
内容の前に課目4電力応用の中身を整理しておきたいと思います。
問題としては問11~16が電力応用の範囲となっており、
問11でパワーエレクトロニクスや誘導電動機を使った電動力応用など、
問12で送風機やポンプ、こちらもまたエレベータ、電気自動車を使った電動力応用が出題されます。
問13では電気加熱、問14では電気化学、問15では照明、問16では空気調和となっており、問13~16の4問の中から2問選択する問題構成となっています。
今回は問11、12についての対策と、問13~16の選択問題についてどう取り組むかを記事にしていきたいと思います。
悩ましい電動力応用分野
問11、12は先に話をしたパワーエレクトロニクスや誘導電動機の問題も出題されます。
この範囲は課目3の電気設備及び機器の範囲でもあります。
また、課目3で出題されるような問題が課目4で出ることもあれば、きっちり”応用”してくることもあり、非常に難易度の差が大きいところではあります。
また、力学的分野を多く含むため、電気を中心に学んできた人にとっては中々苦手な分野でもあります。
そのため、問11、12は非常に範囲が広くなり、また難易度差も大きいことから、この問題にどれだけ時間をかければいいのかわからないことが、また焦りにつながります。
エネルギー管理士試験において過去問対策は非常に重要ですが、この問11、問12については、それほど効果が見込めないかもしれません。
一部ポンプ問題、電動自動車、EV関連の問題など似たような問題は出題されるため、そちらの問題に対しては非常に有効です。
ただ、それ以外の問題に対して、様々な問題が出題されるため、似たような問題は期待できません。
ただ、それでも過去問に慣れておくことが重要だと言います。
似たような問題が出ないのでは過去問は必要ないのでは?
電力応用分野において、難易度が高いと言われる理由として、力学的分野も必要であることの他に、
問題文が非常に長く、書いてあることも難しい。
ということが挙げられます。
限られた制限時間の中で、落ち着いて問題文を読み、難易度の高い内容を理解する必要があります。
ただ、この、落ち着いて問題文を読み、難易度の高い内容を理解する。ということは、ほぼほぼどの年も似たようなレベルです。
そして、内容の難易度の割には、問われる内容は易しいことが多いです。
この問題文と問題のギャップに慣れておかないと、時間を浪費してしまうことになりかねません。
以前似たような問題形式で、電圧降下の簡易式についての問題が出題され、内容を確認して、最後は簡易式を自ら導く問題が出るのだろう、と思い、計算内容を確認して、流れを追っていったら、簡易式が普通に書いてあった。
なんてこともありました。(課目3だったかも)
近年であれば、2021年、2020年の電力応用における電動搬送車の問題などはまさにそれが当てはまるかなと思います。
なんだか難しそうに積分の式が書いてあったり、微分方程式を解かなければいけないようなものがあったりしますが、結局与えられた式に代入することで解けてしまう問題も含まれていたりします。
少し長くなりましたのでまとめると、
・問題の難易度を把握して、問題を解くために必要な情報のみを使って問題を解く。
・その際、中身は難しいため、必要なところのみを考える。
・時間的に厳しければ、代入して解けるような問題だけ解いておいて後回し。
のような戦法が有効かなと思います。
選択問題は何を選べばよいか。
もう一つの問題は選択問題をどれを選ぶかです。
この問題で悩まれる方はいらっしゃるかなと思います。
それぞれの特徴を書いていきます。
問13電気加熱
電気加熱は熱というエネルギーの受け渡しによる状態変化が主な計算問題になっていきます。
固体→液体→気体の変化に必要な熱量や、被加熱物の加熱に必要な熱量を、電気エネルギーから換算させる問題が多いです。
また、難易度が高めのものでは、リアクタンスの低減や、高発熱体の採用など、省エネに関する問題も出題されています。
ただ、裏を返せばかなり傾向はつかみやすいです。
文章題においても、電気加熱の方法と特徴、アーク溶接の問題などこちらも定型問題が出題されます。
個人的に点数のばらつきが少ない分野です。
問14電気化学
電気を主に勉強している人にとって、化学は中々苦手な分野かもしれません。
ですが、電池の分野でも非常に注目の高い分野です。
近年でも電池の問題が比較的多く出題されており、燃料電池についてはなどは是非押さえておきたいところです。
その分、似たような問題が多く、少しの勉強で成果が出やすい分野かと思います。
ただ、電気化学では陽極と陰極を間違える。プラスマイナスが逆だった。
などのミスで一気に点数を落としてしまう可能性があります。
内容を見て、間違えにくい問題であれば選択する。という気持ちで行きました。
問15照明
照明の分野は目に見える電気の世界なので、非常にわかりやすいかなと思います。
物理量としてもはっきりしているため、計算もしやすいのです。
ですが。
その分難しい問題が出題される分野です。
問題は定型化されているのですが、出題範囲が広く、条件も様々。計算では立体角などを用いるため、三次元的な表現の数式の理解が必要です。
近年の問題の難易度としても高めの傾向が続いており、問題を解く時間もかかります。
得意としやすい分野なだけにデメリットも大きいです。
問16空気調和
計算問題の多いエネルギー管理士試験の中では、計算問題の比率が非常に小さい分野です。
それゆえ、文章題が多く、知識を試されます。
実務を通して良く知っている分野が出題されれば一考する余地はありますが、
前の3問の内、2問で点数が取れなかった場合の最終手段かなと思います。
時間的にも厳しくなるため、自分は特に勉強しませんでした。
熱分野に近いことや、電験で勉強しない範囲なだけに敬遠する人が多いかと思います。
選択問題を選ぶために。
これらのことから、自分の得意とする課目から勉強を進めるのがいいかなと思いますが、
勉強する範囲はできれば空気調和を除く3課目を勉強したいところです。時間がなければ2課目でもしょうがないかなと思います。
選択問題の中に簡単な問題が出ると、それはやはりもったいなく思ってしまいます。
ですので、標準的な問題が解ける程度の勉強をしておく。ということが大事かなと思います。
さらっと見て、あ、ややこしそう、間違いやすそう。など判断できるようにすることで、余計な失点を減らすことができます。
管理人の対策
当初自分は、電気加熱と照明の2本に絞って勉強するつもりでした。電気化学は陽極、陰極、活性物質など覚えることが多く、それが出題された時の失点が怖いと思いました。
ただ、いざ少し電気化学を勉強してみると、意外と時間がかからない。解ける解けないではなく時間がかからないことがポイントでした。
ですので、選択問題はまず電気化学を解く。できなければ電気加熱と照明を解く。というように設定しても時間的に余裕がありました。
実際の受験時にもそのようにして、電気化学を解き始めましたが、不安な点が多かったため、その後、電気加熱と照明にがっちり取り組むようにしました。
課目4の取り組み方
エネルギー管理士試験の配点は比較的平均しています。計算問題の方が配点は高いのですが、それほど差はありません。
そのため、時間が無くて問題に取り組めないのはもったいないです。
難易度の高い問題を解いても簡単な問題を解いても同じ点数であれば、簡単な問題で点数を稼ぎましょう。
課目4はその傾向が余計に強い気がします。
まず解ける問題を解いていき、後から難しい問題にじっくり取り組めれば、気持ち的にも落ち着いて取り組めるかなと思います。
もちろん、比較的簡単な問題を解けるようにしておく必要はありますので、勉強は必要です。
相手を知り、対策を考えることはエネルギー管理士試験では非常に有効です。
しっかり取り組んでいきましょう。
コメント