個人的な思いで申し上げますと。自身、電験3種は10数年前に取得しておりますが、私より電気のことができない電験3種持ちは見たことがありません。
みなさんとてもまじめで優秀です。
電験3種はその試験難易度から見ても合格率から見ても取得されている方はかなり優秀な方です。
電験3種の合格率から見る優秀さ
電験3種取得のためには、4科目合格する必要があるのですが、その科目毎がまた難しい。
科目合格率を見ても、公開されているここ10数年の平均値は。
理論が13.1%
電力が13.8%
機械が11.5%
法規が13.4%
と、科目毎でもかなり低くなっています。
(参考:電気技術者試験センター)
そのため、通常一発で合格を目指すのではなく、多くの人が科目合格を経て3種合格をしています。
もちろん一発で合格するつもりで受験するのですが、その範囲の広さから最後まで勉強をやり切った上で合格できる人は少ないでしょう。
個人的な考えとしては電験3種一発合格率は受験者数の3%以下。おおよそ1~2%程度だと思っています。
一般的に電験3種取得までにかかる時間はおおよそ1000時間と言われています。
毎日休まず、仕事、ないしは学校が終わってから2時間勉強し続けても1年半かかる計算です。
もちろん、大学で電気科卒、理系卒、工業高校卒などでかかる時間はそれぞれ変わると思いますが、それを踏まえても500~1000時間という数字になり、その勉強時間は資格試験の中でもかなり多い部類に入ります。
その1000時間をやり切る能力は、それだけ見ても評価されるべき項目かと思います。
電験3種の取得者は合格率数%といえども、年間にかなりの合格者を出しています。
そのため、今は電気の仕事をしていないけど、電験3種持っている。という人を結構見かけます。
電験3種を活かした仕事をしようとすると基本は電気主任技術者、電気管理技術者などになるのですが、その必要数は合格者数ほど必要とされていない気がします。
ですが、3種を持っている人はたいてい、電気の仕事していなくても仕事ができます。
やはり、考える力が身についているんだなと思います。
電験は過去問を解いていれば似たような問題は出てきますが、丸暗記では受かりません。
そのため、問題に合わせて当日その場で解く能力が求められます。
都度都度変わる交渉の中で、どの提案が一番相手のためか、また自社の利益になるか。
そのような優れた能力を持った人。という指標にもなる資格です。
みんなぼんやりとでも電気のことを覚えている
もう電験取ったのも随分前だしね。
といいつつも、皆さんなんだかんだ覚えているんですよね。
この試験(電験でない試験)だったら3種取ったことある人だったらいけるよ。大抵。
とか先輩も言っていましたし。
もうそういうときは苦笑いです。
後輩とのやり取りも、
n次高調波って何がn次なのかわかんないんだよね。
それって確か、周波数のn倍ってだけだったような気がします。
え?そうなの!
確かにそうでした。ダメですね。本当に自分より劣っている電験3種持ちは見たことがありません。
世の中で電験3種と言われると、どうしてもビル管理の責任者。みたいなイメージがついていますが、それ以上に、難関資格を突破した実力者。という見方が広まってもいいかなと思います。
皆さん本当に優秀です。
ちなみに先ほど出てきました私の先輩、後輩は電気主任技術者として働いていません(汗)
電気の知識を活かすというよりも、培ってきた頭の使い方、回転の速さなどが活かされているのではないでしょうか。
電験3種は電気の知識を持っているという見方もできますが、合格率数%の難関資格を取得したと方。という見方をもっと広く世間に知ってもらい、社会で活躍していただきたいと思います。
試験の難易度と社会的認知
試験の難易度と社会の求める資格の需要が合っていない。という感じです。
同様な資格として、レベルは違いますが、一級建築士、弁護士などもそういうイメージです。
どちらもとんでもない難関資格の一つですが、合格者数が多く、社会の需要に対して供給過多になり、高難易度を突破した優秀な方が安く買いたたかれているような、そんな思いを持っています。
そんな背景には、景気の向上、教育の質の向上などから試験を突破するような優秀な方が増えている。
そんな感じがします。
そうなってくると、やはり勉強だけ、資格だけでは厳しい社会が見えてきます。
これだけの難関資格を突破できるほど優秀な方です。
できれば、その専門分野だけでなく、広く社会的な見分を広めていただき、マネジメント力も含めた優れた人になってほしいと思います。
つらつらと思いついたままに3種取得者の電気の知識以外の面を書いてきました。
まとまりがありませんが、電験3種、ないしは電気主任技術者の地位が向上することを祈っています。
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