こんにちは、はっちです。
今回は2024年エネルギー管理士試験を解いてみた感想を書いていこうと思います。
ただ解いてみた感想にはなりますが、本番の時間制限の厳しい中で問題を解くのとは訳が違います。
落ち着いた環境で解くものと感じ方が全く違いますが、難易度など参考にしていただければと思います。
法律改正されてから2年目です。課目1は今回である程度今後の傾向が見えてきそうです。
難しい問題であることには変わりありませんが、解くと勉強になる問題が多いです。
ぜひがんばってみてください。
課目1 エネルギー管理及び法規 難易度3
令和5年から名称が変わり内容が改正された、「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」ですが、今年はどうなるかと思っていたら、
エネルギー管理指定工場の問題が昨年度と同じ形式でした。
とすると、例年エネルギー指定工場について悩まされていましたが、簡易な形で今後も出題がされていくようです。
捻るところが少なくなった分、勉強しやすくなりましたが、一方で、熱量の換算値の違いなど、新しい問題も出題されました。
また、選択問題が、正しいと思うものを全て選べ。のような若干ではありますがヤマカンが当たりにくくなり、合格率は少し下がりそうな感じがします。
課目1 印象に残った問題 デマンドリスポンス 難易度2
昨年度に続いて”エネルギー使用の最適化”について出題が連続しました。
解説動画の中で重要と話をしたところが二回も出てくれてちょっと嬉しかったりします。
課目2 電気の基礎 難易度3
毎年問題となりそうな三相交流の問題は面食らった人も多いかもしれませんが、中身はそれほど難しくありません。
計算問題も少なく、時間はかからないのですが、いかんせん、時間が無い上に、一日の最後の科目です。落ち着いて考えられなかった可能性があり、正答が分かれそうな問題です。
難関である自動制御も比較的過去問で出題されたものと似ており、簡単ではありませんが答えやすかったのではないかと思います。
ちゃんと考えると非常に難しいため、覚えるだけでもいいのですが、理解しておくと、この先(2種とか)の勉強が楽になるかもしれません。
情報処理はどうなのでしょうか。。。比較的分かりやすい問題かと思いますが、ITパスポートや基本情報処理の知識は必要かと思います。
電気計測は非常に難易度差が大きいです。(1)の問題が分からなくとも、(2)は近年の過去問そのままですし、(3)も取り組みやすいです。
全体の難易度としては、普通ぐらいかなと思います。
ただ、易しいからと言って解けるとは限らないのが試験の怖さだとも思います。
課目2 印象に残った問題 難易度2
問4の三相交流の断線(?)の問題です。
は?と思うかもしれませんが、ただの三相ではない閉回路です。単純に考えればいいのですが、それが三相交流という頭に残っていると迷ってしまう問題かと思います。
課目3 電気設備及び機器 難易度3.5
最初に話しますと、この課目3が若干難しくなったと感じます。
というより、エネルギー管理士試験は比較的需要家に近いところから多く出題されていましたが、今回においては、配電側の内容もちらほら見られ、言ってしまえば電験3~2種の電力の問題に近くなりました。
電験3種受験から、それほど時間が経っていなければ気にならないかもしれませんが、3種から間が空いてしまったり、過去問のみで対策していった人からすると、少し範囲がずれた印象を受けたかもしれません。
計算問題も電験3種を理解していれば分かる。というのが連年通りでしたが、今回は2種よりの出題もされています。
ただ、過去問を少しいじった問題も見られるため、解ける方は解けたのではないかと思います。
そうはいっても難しい問題であったことには変わりありません。
課目3 印象に残った問題 変圧器 難易度4
問9(3)変圧器の諸量を求める問題
短絡インピーダンスの意味から、効率に電圧変動率。
難しいもののオールスターみたいな問題です。これが解ける人は合格できる方ではないでしょうか。
課目4 電力応用 難易度2.5
最難関と言われる課目4の電力応用ですが、今年に限っては課目3の方が難しかったのではないでしょうか。
今回は問11,問12に比較的定型な問題が普段通り出題されているため、解きやすかったのではないかと思います。
ただ一方で、ものすごく問題が長いなどの内容は健在です。
問12など、3ページ使って問題5問だけです。どんなんだと思ってしまいますが、中身は、あれ?これだけ?という問題です。
無理に追わず、時間を見ながら解く必要がありそうですが、取り組んでみると肩透かしだったりしますので、ぜひ取り組んでみてください。
課目4 選択問題
電気加熱は比較的広い範囲の問題が出題されましたが、全体を広く勉強しておくことで点数が取れそうな問題です。
また、計算問題も頻出な感じです。ぜひ点を取りに行きましょう。
電気化学は(2)で少し捻った問題が出題されました。工業電解は良く使われる電気化学分野の応用です。
イメージしやすく、勉強になる範囲ですので苦手な方もいるかと思いますが、解けるようにしておきたいです。
照明の問題はやはり例年通り難しめです。形式通りの問題が多いですが、そのパターンが多く難しいと言わざるを得ないかと思います。
様々な問題が出題されていますので、良い勉強になりそうです。
空気調和は比較的イメージがしやすく、また課目1の延長でもあるため、どうしても他の3つが難しいと感じたら一度解いてみるのもいいかもしれません。
課目4は全体的に易しくなった印象です。
課目4 印象的な問題 難易度2
問12(1)長い
以前どこかで見たような電気自動車に関する、空気抵抗、運動エネルギー、走行性能などの複合問題ですが、とにかく長いです。
じっくり読むとそれはそれで面白いのですが、計算したり、代入したりするだけです。
出題意図としては、長い文章を読んで答えることを苦手とする人が多い中、ちゃんと考えて解ける人を合格させたいという思いが伝わるようです。
ただ、試験時間中にそれを実施するのは中々厳しい。
選択問題もある課目4の中で時間を取られる問題は避けたいところですが、内容が簡単だったりすることもあります。
長い問題は必須問題でもありますので、本番避けてしまった人はぜひ取り組んでみてください。
令和6年度エネルギー管理士試験(電気)の問題の感想
課目1は解きにくい問題もありましたが、選択肢が選びやすい問題も見かけられました。
改正された法律の部分は厳しいものがあったかもしれませんが、それ以外をしっかり取れば合格ラインに乗れると思います。
課目2は普通、課目3は難しく、課目4が易しめという全体的に課目毎の難易度が平準化されてきたような気もします。
エネルギー管理士試験は、毎年それほど総合難易度は変わりませんが、若干課目ごとに難易度差が出てきます。
今回の課目3は評価のしにくいところです。
電験3種の電力をしっかり理解している方からすれば、取りやすい問題だったかと思いますが、
エネルギー管理士試験(電気)が初めて、ないしは久しぶりに受ける電気系の試験であった場合、過去問だけでは点数は取りにくかったのではないかと思います。
来年度の課目3の動向が気になります。電験に寄って行くのでしょうか。
試験中は、自身の緊張もありますが、冷えすぎている、また全然冷房効かない、隣の人がずっと貧乏ゆすり、外からの騒音など、試験会場ならではの障害もあります。
簡単な試験ではありません。課目合格制度が用意されているような試験ですので、うまく活用しつつ合格を目指していきましょう。
合格発表は9月中旬にありました。下記のURLから合格者の受験番号が確認できます。
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