焦りと緊張の令和4年度電験1種受験体験と問題感想 一次試験編

電験1種 電気主任技術者試験(電験)

電験1種ってどんな雰囲気なんだろう。

1種受けるような受験者はきっとすごい人たちで、ここまで来た人は色々と余裕なんだろうな。

当時、そんな風に思っていた自分ですが、実際に受験してきましたので参考になればと思います。

想像していた余裕なんてどこへやら。

受験の体験と問題の感想と併せて書いておりますので参考にしてください^^

公式回答発表前に書いたものなので焦りと落胆感に満ち溢れております^^;ご容赦ください。

掲載の問題の詳細は試験センターから確認することができます。

一般財団法人 電気技術者試験センター
一般財団法人電気技術者試験センターは、経済産業大臣の指定を受け電気事業法における電気主任技術者および電気工事士法における電気工事士の国家試験を実施する機関。

R4年度1種 一次試験の問題の所感

流れとしては、試験を受けた問題の(個人的)感想と、実際に自分が受験した時の様子を伝えて、こんな感じの人もいるんだ~ぐらいに思っていただければと思います。

管理人の前情報はこんな感じです。

略歴:2種電気工事士すら解けなかったアラフォー(苦笑)

ブログを書いている人はどんな人?
こんにちは、はっちと言います。どんな人がブログを書いているのか。電験や技術士、エネ管に挑戦しているのかを少しだけ紹介したいと思います。簡単に言うと、はっち2種電気工事士の問題もわからなかったアラフォー...

1時間目 理論の内容と難易度

問1 写像を用いた電気力線と等電位線の解析です。そして続く問2が、ストークスの定理を用いた問題。この最初の問1、問2の初見殺し感がすごかったです。

感想は後程にして、問題の難易度としてはどちらも高めかと思います。ただ、問2の後半は良く分からなくても解けてしまう問題。あきらめずに最後まで読むことを忘れないようにしないといけません。

続く問3直列回路の問題、問4の三相交流電源の問題はかなり簡単な部類かと思われます。ですが、問1,2の問題の雰囲気に押されて解けなかったり間違えてしまった人もいるのではないでしょうか。

そして問5と続く20点問題は、その意気込んだ状態での時間のかかりそうな過渡現象

問6の電子の問題もしっかり考えなければいけない反面、問7のトランジスタは知っていれば基本的な問題。やはり少し考える個所はありますが、分類としては易しい部類かと思います。

問5、問6の難易度は1種としては普通かもしれません。

ちなみに、後から記事を書いていますので落ち着いていますが、試験中まったくそんな気持ちになれませんでした。とにかく全部難しい(TT)

2時間目 電力の問題と難易度

この電力科目はほとんど知識問題。たまに計算問題が出題されますが、理論のようにがちがちの問題は出ないはずなので、落ち着いて取り組めるかと思います。

問1 揚水発電の始動方法は同期発電機の始動方法を学習していれば取りやすい個所です。

問2 石炭ガス化複合発電についての問題でした。

この問題は、問題に慣れていれば慣れているほど、電気集じん装置として誤答しそうな問題です。

二次試験は火力発電だしな。と思って色々見ていたのが功を奏しましたが、そうでなかったらやられていました。難易度としては高めかと思われます。

問3 送電線と通信線の誘導障害についての問題でした。

電磁誘導と静電誘導の違いをはっきり分かっていないと間違えそうな問題です。

(4)は’短絡’を選びたくなるところですね。難易度は普通ぐらいかと思います。

問4 避雷器についての出題です。開閉器の前後に避雷器を付けるのは普通の建物ではやらないでしょう。。。難易度普通。

問5 測距リレーの問題ですが、主に距離リレーの仕組みを中心とした問題です。誤動作についてが問題になりがちですが、仕組みを把握しておけば大丈夫・・・なんでしょうね(汗)

脱調分離リレーって何・・・難易度高めの問題です。きっと。

問6 直流送電の問題でした。1種では学習必須の範囲ではありますが、後半の他励式、自励式変換器の問題は中々難しい範囲だったのではないかと思います。

問5,6の20点問題でこの内容は中々厳しいです。

3時間目 機械の感想と難易度

問1は同期機の問題にベクトル図がたくさん。

最初から「え?」というような内容ですが、落ち着いて考えることができればそれほど難しくないんじゃないかなと思います。難易度は1種としては易しめ。。。かな。

問2は誘導電動機の問題です。変圧器と違い、巻線係数と相数が一次、二次の換算係数に影響することから出題されています。落ち着いて考えることができればそれほど難しくありません。難易度は普通ぐらいでしょうか。

問3は高調波フィルタの計算問題でした。この辺りは高調波流出を抑えるために必要な知識かと思います。どこを問われているのかを整理して間違えないようにしないといけません。こちらも知っておきたいところですので難易度普通にしておきます。

問4はLEDについての問題です。問われている内容も基本的な内容かなと思います。

問5はPWM制御三相電圧形インバータの問題です。いつものブリッジ回路から解く問題ではなく、知識を試される問題です。選択肢も選びにくく20点問題にして難易度が高くなった気がします。

問6は燃料電池を用いた電気化学の問題です。比較的簡単ではあるのですが、間違えやすい個所がいくつかありますので注意が必要です。易しめの問題です。

問7は稼働率の問題です。かなり易しい問題かと思いますが情報系ということで敬遠してしまった方が多いのではないかと思います。

4時間目 法規の問題感想

問1は電気事業法及び電気事業法施工規則からの問題。よく見かける条文なので比較的解けた人も多いのではないかと思います。最後の(5)は間違いやすそう。

問2は低圧幹線の施設に関する問題です。かなり需要設備側に近いところからの出題で1種としては珍しいのではないかと思います。

問3は中性点接地方式に関する問題です。3種からよく出る問題ですので解答できた人は多いのではないかと思います。有効接地という言葉はあまり聞きなれないかもしれません。

問4は負荷変動に対する周波数調整の手法についてです。これも1種、2種ではよく見かける内容かと思います。出題されやすい内容なので押さえておきたい範囲です。

問5も需要設備に近い問題です。地絡遮断装置の施設についてです。

穴埋め個所も良く抜かれそうな個所なので点数は取りやすそうです。

問6は特別高圧架空電線と保安工事についてです。非常に覚えにくく解答もしにくいのですが、20点問題ですので半分は取りたいところです。ただ抜いている穴埋め個所も選択肢も絞りにくく大変です。難しい問題かと思います。

焦りしかない管理人の1種一次試験

どうだったでしょうか。一種ともなるとかなり難しい問題が出題されるかと思いきや、中には理論問3のような比較的簡単な問題も出題されます。一昨年と昨年と比較的合格率の高い状況が続いていましたので、今年は難しくなると思いきや、どちらかというと印象は易化したかなという感じです。

さぁそんな余裕を見せている管理人ですが、実際の試験ではどうだったのでしょうか。

ここからは当時の状況をそのまま文章にしてみました。

1時間目 理論の暴力

本日一番最初の時間でありながら、一番の大勝負。

逆にここを切り抜ければ一日楽に試験が過ごせるかもしれないという、一日で一番気合が入り、また緊張する1時間目「理論」。

頭の回転力がものを言う理論。おっさんにはいろいろ厳しい。

ただ、時間はぎりぎりでも勉強はしてきたつもり。

1種の理論は基本公式さえ分かっていれば考えて解ける問題が多い。

当日考えることができれば合格は固いはず。

さぁどんな問題が出るか。

問題を開く。

問1 写像を使った電気力線と等電位線の解析

はっち
はっち

しゃ、しゃぞう(写像)?

行列と並ぶ2大意味不明数学用語そんなことない(^_-)-☆

やりたいことの雰囲気は分かる。でも中身は分からない。

ただ、こういう問題は考えれば解けるはず。がんばれ、考えろ。

・・・

計算してみるも期待する選択肢がない。何がか違うらしい。

焦る。次の問題が気になる。

なにせこの10点のA問題は前哨戦。

後ろには20点問題のB問題が控えている。ここで躓くわけにはいかない。次に行こう。

問2 ストークスの定理

抽象的な積分式。そして意味が分かっていないマクスウェル方程式。

だ、大丈夫。こういう問題も考えれば分かる。。。

分からん。。。

 

え?もう20点落とすの・・・?

これで終わってしまう?という言葉が頭をよぎる。

開始15分しか経っていないのに、そういう気持ちに負けてしまう。

猛烈な焦りが出てきてどうしようもない。これ、2種の時と一緒。ダメだ。。。

次いくしかない。いやでもそうするしかない。

問3 直列回路とΔーY変換

見た目も簡単な直列回路の問題。

これはいける!

ただこの時、問1、2のせいか既に焦りが最高潮。まともに頭が働かない。

ただの分数の約分なのに紙に書いて計算する始末。

そういう焦りがたたってか、答えが選択肢に無い。なぜ?

まてまて、ちゃんと見直そう、ただの計算ミスに違いない。

やり直し。。。ても、やはり選択肢に無い。なぜだ。時間が無い。

希望が見えただけにこのミスは痛い。焦る。

ただ無いものは無い。あることにはできない。次いくしか。。。ない。

問4 三相交流回路

ここで三相交流回路の問題か。

三相交流は時間がかかるからどうしようか。。。10点問題だしな。

電流源にアドミタンスか。

これは計算ミスしそう。後回しだ。

問5 二電源過渡現象

ついに20点のB問題。過渡現象の問題。これはいける・・・か?

誘導も多い。

さぁ考えろ。よし。いける。

答えは・・・選択肢が・・・ぇ?無い。またか。

なぜだ。式変形か。そうだ式変形だ。

ただ、何かおかしい。

やばい。おかしい。頭もおかしい。

問6 選択問題 電子

選択問題は電子の問題か、もう一つの問題を見てみるか。

問7 選択問題 トランジスタ

トランジスタか。基本を押さえておけば大丈夫なはず。等価回路も記載あるし。

よしよし。こちらにしよう。

基本的な問題が続き、よし。最後の方までこれた・・・が、ぇ?

どっちが先に削れるか?そんなこと重要なの?

まぁいい。でも時間がない。

 

全問題を見て、問題が最後まで「読めた」問題が3問。

だめだ。

いや、まだほとんど手を付けていない問4もある。

残り30分。焦る。焦る。

再度 問4→問1→問2に取り組む

手がかかりそうな三相交流電源の問題だが、捻ってありそうかと思ったらミルマンの定理とか書いてくれているし。

出題の仕方がやらしいが、なんとかなりそうだ。時間もかからなさそう。

焦る。焦るな。落ち着け。

少し落ち着いたところで、問1の写像問題に再度取り組む。

なるほど、そういうことか。よし。答えは。。。あれ?

いや、あれ?

何か勘違いしているのか。

まぁしょうがないか。問2に行こう。マクスウェル方程式の問題だけども何か類推できるかも。

前半は「?」だったけれども後半の問題は読めばわかる問題だった。

なるほど。こんな感じかな。

再問3 直列の問題。

最後にやっぱりこれを解いておきたい。何かが間違っているはず。

だが、計算が合わない。どういうことだ。簡単なはずなのに。。。

残り3分。だめだ。あきらめよう。時間に追われて手が震えて進まない。

 

試験官「解答を止めてください。」

またか。

また理論の出来を引っ張って一日過ごすことになるのか。。。

どんよりした気分でも時間は来る。次に備えよう。

2時間目の電力は焦ることなく

理論と違い落胆しながらですが、気持ち的に山あり谷ありも無く解くことができました。ほぼ計算の無い問題でしたのでさくさく解いて(予想して)途中退出です。

3時間目 機械も焦る

自分にとって何気に難所の機械科目。

この科目は、自分の中で一番安定しません。

おそらく他の受験者と自分の知識の特性が違うのか。合格率と自分の点数がまったく合わない。

この問題は難しかった!と思って答え合わせしたらやはり合格点に足りず。

そして、合格率を見てみると、例年より合格率の高い年だったりするので非常に不安な科目。

問1 同期発電機、電動機の問題

機械の問1は大抵難しくじっくり考える必要がある。そう思って開いてみたら。

なんだコレ。ベクトル図がいっぱいあるぞ。

電源より端子電圧が低ければ発電機・・・な気がするけど、何か違和感がある。確かにそうでない場合もあるよな。

こういう問題は大抵引っかかる。まずい。グラフも何かあるんじゃないか。

解く。焦る。解答はこれだ。

ある。いや、こんな簡単なわけがない。何かひっかけがあるはず。

何だ、何か考えていない要素があるんじゃないか。わからない。

わからないままでも進むしかない。

問2 誘導電動機の換算係数

最初は簡単なのか?と思ったらやはり変なことしてくる。

係数があっちやこっちやして何をしているのかわからなくなってくる。

問題文が何を言っているのか。焦って読めない。

どこもかしこもひっかけに見える。

問3 LED照明の問題

LEDの原理についてのようだ。どうせなら計算問題が出て欲しかった。

分かりやすい内容だけど迷うところもある。

悩ましいが、考えてもしょうがない。次に行こう。

問4 高調波フィルタ

ここで高調波フィルタの問題。こういう計算問題は20点問題じゃないのか。

後回しにしようとして、すれ違いざまに足払いされた気分。

でも解かねば。こうで、あぁで、これでいけるか。。。選択肢は。。。

また無いのかよ!計算ミス^^;

何が間違っているんだ。ひっかけ問題ばかりだな・・・(←違う自分のミス)

問5 PWM制御三相電圧形インバータ

来た。パワエレの問題。これは苦手。ここが20点問題か。まずい。

やはりだ。選択肢が絞れない。どんな選択肢も入る気がする。

なぜか途中で風力の問題に。このまま風力発電で・・・と思っていたらすぐに逆戻り。

くそぅ。点を取らせてくれない。

問6 燃料電池

よし。電気化学の問題だ。ぱっと見た目簡単そう。いける。

よしよし。最後の問題は。。。

え?え?

これでいいの?いや違うだろ、何か読み間違いしているはず。

数値が若干ずれる。これはひっかけだ。何か違っているはず。20点問題だぞ。これはまずい。

問7 情報処理も開いて見てみる。

選ぶべきはこっちだったか。

一目で簡単そうな問題。

情報系出身の自分だが、もうはるか昔。自分の実力は分かっている。

とても1種2種で対抗できる力は失っている。

だが、今回は。。。くそぅ。ただそんなことしている時間は無い。

問1、問2をじっくり検討しないと。

まだ全然焦る時間じゃない。残りは30分もある。だけど、理論の失敗の気持ちの焦りが残ってか心臓がやばい。

再問2 落ち着けない。でもこう?いや?こう?

問2に戻ってくるも、色々とこうだったら、こうだったら。と検証していくうちにどんどん解答はあらぬ方向へ。

そして時間だけが過ぎていき、、、

解答を止めてください。

いや、難しかった。

本当に苦手。今年はむずい年でしょ。

twitter「1種機械は簡単でしたね!当たり年!」

twitter「1種機械はいけそう」

がっく・・・_| ̄|○

4時間目 法規の心情

最後だ、最後の65分。これも得意不得意が出やすい問題。さぁどうなる。

問1 電気事業法の問題。これはよく見ている。

問2、問3、、、あれ。

問4、問5、問6。。。

比較的需要設備側の問題が多く、計算問題も無く、あっさり終わってしまった。

これは自分にとってラッキー年度。

一部知らない問題もあったけれども、類推して埋めつつ終了。

見直しもしつつ、もう一度0から問題を解いてみて確認するも、30分かからず終了。

最後は一日の頭痛を癒すための時間として休ませていただきました。

ふぅ・・・やっぱり1日4科目は辛い。

 

それにしても機械科目が悔やまれる。

後から考えれば確かにそれほど難しく考える必要は無かった。

そのままで良かった。だけれども、そんなはずはないという思いに縛られてしまっていた。

自信を持てなかった当たり、まだ勉強不足なんだと思う。

そして一次試験自己採点は。。。

翌月曜日、自己採点したくないと思いつつも、もしかしたら二次試験の勉強しないといけないかもしれない。

ドキドキしながら、自信のある法規から採点していったところ。

令和4年度(2022年)電験1種一次試験。

理論 58/80点 (72.5%)
電力 64/80点 (80.0%)
機械 58/80点 (72.5%)
法規 61/80点 (76.3%)
はっち
はっち

思っていたより間違えていた法規科目

理論、機械など、あれだけ焦りであっぷあっぷしながらでしたが、ひっかけがあると思ってたら、そうでなかった。というのが多くて助かりました。

ただ、÷2を忘れていたり、√3を忘れていたりと凡ミスが多く苦い思いをしていました。

点数だけ見ると若干余裕があるように思えますが、運もあり本当にぎりっぎりです。

また1種試験は過去問を解いていても、まったくわからず、大問0点なんてこともありました。

もし、そういう問題が来ていたら一気に危険信号です。

今年の問題は自分に合っていたと言えます。

また、試験中の焦りに対処するまでにもう少し時間がかかっていたらやられていました。

そういうぎりぎりの感覚です。

無事二次試験に進むことができましたが、次もより厳しい戦いが待っています。

気負いをせずにマイペースで頑張っていければと思っています。

1種、2種、また3種下期受験の皆様、がんばっていきましょう!

(おまけ)3年前の2種試験時を思い出す当日

3年前。

2種一次試験を受験しに来た時、1種の受験者と思われる人達を見て、

はっち
はっち

神に近づこうとする人はあぁいうすごい分厚い辞書みたいな本で勉強しているんだな。すごい。

そう思っていましたが、

今年は自分がその立場だ。ふふん。

と思っていたら、自分の会場は2種受験者よりも圧倒的に1種受験者が多かったです。

はっち
はっち

あ。。。みんな神。。。

と、よくわからないことを考えていました。

逆の立場になった今年。

何にも変わってません!

ということで2種だ1種だ関係なく、試験がんばりましょう!(草)

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