令和6年度電験1種一次試験(2回目)レビューと合格ライン予想 電力・機械編

電気主任技術者試験(電験)

こんにちは、はっちです。

こちらでは、前回の理論からの続きで電験1種一次試験の受験体験記を記事にしています。

令和6年電験1種一次試験2回目の受験体験記(理論)と合格ライン予想
猛暑日が続く夏の盆明けに実施された、2024年電験1種、2種、3種一次試験。 とにかく朝から暑い上に、会場もかなり暑く、汗が垂れるような状態での実施でした。 今回も、各科目の冷静になった後での感想と、...

今回は電力・機械編です。

ただ、前回の理論科目と違い、時間的に余裕があり、それほど精神的に追い詰められることはありませんので、試験時の感想と冷静になった後の感想を合わせて2科目分書いていこうと思います。

試験の問題と解答 | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター

令和6年 1種一次試験 電力科目

さて、続く電力科目ですが、ここは、

ダッシュで解いて、途中退席して、お昼ご飯を早めにとり、昼からの眠気に誘われにくい状況を作るところまでが電力です(個人の感想)(´・ω・)

電力科目の時間は11:25~12:55までの1時間半。

計算問題もあまり出題されることはありませんので、時間的な余裕はできるかと思います。

ですが、油断せず、しっかり見直しをしてく必要もあります。

実際の問題と併せてみていきます。

問1 水車発電機の励磁装置の問題 難易度3

電験1種 電力

発電機は一般的に直流の励磁装置が必要です。問1は水車発電機で用いられる励磁方式について問われました。

同期発電機の始動方法の際に勉強している人が多いかなと思います。

でも機械科目じゃないのコレ。

ブラシレスとひっかけそうな選択肢が多いので気を付ける必要があります。

問2 変電所の耐震問題 難易度4

耐震の問題は出てくるかもしれないと思っていました。

能登地震があった中で、二次試験ではあからさまだろうから一次試験ぐらいが怪しい。

なんて思っていたら予想的中で出てきてくれてました。

もともと二次試験の論説対策で勉強していたのも良かったです。

ただ、知っていたから解けたものの、2年前の初回受験時であればさっぱりわからなかった内容です。

静的設計手法と動的設計手法の違いは押さおきたいところ。

ただ、それだけでは解けないのが1種なんだなというのは最後の問題の、”さらなる見直し”の問題でした。それは知らなかった。

難易度としては難しめだと思います。

問3 架空送電線の電気定数の問題 難易度2

架空送電線の表皮効果の浸透深さ、電線一条のインダクタンスや静電容量についてちゃんと知っていますか?という問題。

ぱっと見難しそうで、数式などもありますがほぼ知識問題。

電線より率2%、電線1条当たり1mH/kmはどこかの過去問で見た気がします。

なぜlogの中身が\(\frac{D}{r}\)になるか分かっていれば間違えることはないかなと思います。

問4 分散型電源の出力制御 難易度3

オンラインにおける出力制御に関する問題でした。

オンライン対応の電源は一般送配電事業者でもない限り、中々少ないのではないでしょうか。

この辺りの出題は、電源ごとの出力抑制の順番など怪しいと思っていましたが、そこまでの出題はありませんでした。

中々勉強しにくい範囲ですが、冷静に問題が読めればある程度類推することも可能です。

B問題 問5 火力発電所の変圧運転 難易度3

火力発電所の熱効率を上げるために用いられる変圧運転制御の問題でした。

二次試験の論説で良く出題されるようなイメージですが、今回は一次試験での出題です。

変圧運転の熱効率を理解するには、火力発電所の全体の構成を知っておくことが大事です。

この問題には色々な内容が詰まっていますので、2種二次試験対策にも良さそうです。

問6 電力系統の潮流計算 難易度5

数年前のニュートンラプソンに始まり、2種でも触れたノードアドミタンスの問題です。

電圧位相差、ブランチのアドミタンスと、電力送電にかかわる全体を調整することに必要です。

ただ、行列式は出るは、アドミンタンスは出るはでじっくり丁寧に計算する必要があります。

果たして、それだけの余裕があるかどうか。というのは試験中には厳しいです。

この問題の配点は20点であり、できるだけ点数を取っておきたいところですが、厳しい問題であったかと思います。

 

さっと解いて(解けているかどうかはおいておいて)さくさく見直しです。

マークミスなどを最後に確認して途中退室させていただきました。

さすがに電力は得意な人が多いのでしょうか。退出可能時間になったら結構な人が退出されていきました。

私も退出し、暑い廊下のようなところでお昼ご飯を食べ、3時間目の機械科目に備えます。

午後からの3時間目 機械科目

機械科目は暗記科目が多い上に、範囲が広く、直前に覚えて、すぐ忘れる方法が有効です。(個人の感想です)( ゚Д゚)こら

選択問題は何が出題されるだろう。予想では電気加熱と情報処理かなと思いレーザー辺りは重点的に覚えていきました。

3時間目の機械の時間はお昼休み1時間を挟んで、14:15~15:45の1時間半の試験です。

後半には選択問題もあるため、時間的な余裕は電力に比べて少なくなります。

さぁ、いってみましょう。

問1 同期発電機の特性曲線に関する問題 難易度3

電験1種 機械

同期発電機のV曲線と可能出力曲線に関する問題です。

遅れか、進みか。

また、励磁を弱める影響、強める影響など複合的に理解していないと厳しい問題です。

どちらも二次試験を勉強している時に出てきているので、思い出しながら解答します。

問1から面白い問題を出題してきました。

問2 避雷器の性能に関する問題 難易度2

雷関連は用語が難しく中々覚えにくい範囲になります。

避雷器はその中でも重要な役割を果たす割には、あまり内容が知られていなかったりします。

色々と整理ができ、知識がつながる問題であるかなと思います。

問3 誘導電動機のベクトル制御に関する問題 難易度5

ベクトル制御については、内容が難しく中々電験で取り上げられません。一方でエネルギー管理士試験では結構な頻度で出題されるため、そこで中身までは理解できなくても、問題が解けるようにしている人もいたのではないかと思います。

後半戦の問題は良く分かりませんでしたが、類推できるヒント、、、といいますか、電験グセで解答しました。

まともに解くとかなり難しい内容になるのではないでしょうか。

問4 光源の全光束を求める問題 難易度4

ルーソー図 電験1種

見るからにやばい雰囲気しかしない照明の問題。これが問4(10点問題)で良かったと思った人は多いのではないでしょうか。

ただ、前半戦が分からなくても、後半戦を解くことで類推できてしまう部分もあり、そのおかげで点数を取ることができました。

難易度は高めかと思われます。

平成9年の一次試験で似たようなルーソー図の問題が出題されておりましたが、今年の問題よりもさらに難しい出題方法でした。(やばい)

問5 トランジスタのスイッチングに関する問題 難易度3

例年のパワーエレクトロニクスの問題とは違い、トランジスタの内容から出題されました。

半導体のプロフェッショナルの方が、「スナバ回路とかマニアックな・・・」なんて言っていました。

ただ、よくわからない用語に負けずに内容を理解できれば、全問でなくてもいくつかは解けそうです。

個人的にPWM制御などは苦手なので、20点問題でここが出題されたのは助かりました。

問6 鉛蓄電池の問題 難易度3

基本的な問題ではありますが、充放電の両方を扱っている鉛蓄電池の問題は、充電なのか、放電なのか、また電荷を勘違いしたりすると、一気にやられてしまうため、ちょっと敬遠気味です。

問7 無線通信の規格に関する問題 難易度2

無線LANルータを設定したことがある人なら、ある程度解けてしまいそうな問題です。

OSI参照モデルで躓く人は多いかもしれません。

電気の世界からすると、無線通信は上位の応用側のイメージでしたが、情報の世界からすると通信は物理層(最下層)です。(1)の答え(~_~;)

比較的点数を取りやすい問題かと思います。

令和6年電験1種 電力・機械科目の難易度

電力・機械科目は二次試験でがっちり計算問題が出題されるため、ここでは知識を聞かれる問題が多いです。

そのため、分かっていれば時間的に余裕があり、気持ち的にも楽に臨むことができました。

3時間目は途中退出しても、外は暑いですし、することも無いので、部屋で待機です。

次の法規は、まぁ何とかなるでしょうと思っていたのも原因です。

電力科目は良く聞かれるような問題と見かけない問題が半々ぐらいでした。ただ、耐震の問題も過去には出題されています。問6のノードアドミタンスの問題は難しくとも全体としては標準的な難易度ではないでしょうか。

機械科目はベクトル制御にルーソー図とかなり難しめの問題が出題されましたが、全然わからないかと言われるとそうでもありません。選択問題ではある程度点数は取れてしまうこともあり、また良く聞かれるような問題も出題されています。

トランジスタの問題もまた、問題文を読むことで答えを想定できてしまう個所もあります。

難易度としては難しくとも、合格率は上がりそうな印象の問題でした。

電力・機械科目の合格ライン調整はありそう?

電力・機械科目はここ数年得点調整は入っていません。

今年の難易度としても、電力は耐震の話、ノードアドミタンスの話、火力の変圧運転など、二次試験経験者が勉強していたのではないかと思われる範囲が多く、二次試験未受験者との差が出やすかったかなという気がしています。

ただ、電験1種は3回以上受験者数が半数以上を占めています。(未回答除く)

私も2年前の初回受験時のことを思えば、今回の問題はかなり厳しいと思わざるを得ません。

調整が入ってほしい気もしますが、48~47点と言ったところかなと思います。

一方で機械科目は難しい内容も多かったのですが、分からなくてもヒントが多く、考えることである程度解答が選べるものも多かったです。

ベクトル制御の後半戦、トランジスタのスイッチングの話など、他の分野と似通っているところもあるため、難しくても得点率は高いのではないでしょうか。

合格予想ラインとしては48点としたいと思います。

 

ということで、理論・電力・機械が終わり、そのまま法規も気持ち的に楽に終えることができるだろう・・・なんて思っていたのですが。

最後の最後。法規科目でズドンと落とされました。

次の法規科目と自己採点に続きます。

令和6年度電験1種一次試験 気を抜いていた法規の合格ライン予想と自己採点の結果
こんにちは、はっちです。 今回は電験1種一次試験の受験体験記(2回目)も最終回。 機械科目も終わり、最後の法規科目と得点調整の予想です。 この法規科目は、前回の2年前は比較的点数が取れたため、今回もそ...

台風大丈夫でしょうか。みなさんお気をつけて。

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