(2) ある工場の送風設備(送風機定格出力 30kW)において、1日24時間のうち、8時間は定格風量で運転し、4時間は定格風量の80%、12 時間は定格風量の 50%で運転している。送風機の風圧ー風量特性、風路の送風抵抗曲線及び送風機効率は次式で表される。
\[\displaystyle h = 1.2 n^2 + 0.5nq – 0.7 q^2\]
\[\displaystyle r=kq^2\]
\[\displaystyle \eta=2(\frac{q}{n})-(\frac{q}{n})^2\]
ただし、\(h [p.u]\) は風圧、\(n [p.u.]\) は回転速度、\(q [p.u.]\) は風量、\(r [p.u.]\)は風路の送風抵抗、\(n [p.u.]\) は送風機効率で、いずれも送風機の定格点での値で正規化したものである。係数\(k\)はダンパの開度によって変化する係数であり、全開のときを \(k=1\)とする。
送風機の風圧 一風量特性及び風路の送風抵抗曲線を図示すると図2のようになる。送風機の定格動作点での効率(実際値)は75%、送風機を駆動する誘導電動機の効率は動作点によらず90%である。
1) ダンパ制御によって風量を制御する場合を考える。誘導電動機を直接三相交流電源に接続し、送風機を定格回転速度 \(n = 1 [p.u.]\) で運転する。
まず、ダンパが全開のとき、風量は定格風量\(q = 1[ p.u.]\) となる。このときの動作点は、
図2の点Cであり、軸動力は \(40 kW\)、消費電力は \(44.44 kW\) である。
次に、ダンパの開度を調整して定格風量の80%で運転するとき、動作点は図2の点Bである。
このときの風圧は \(1.15 p.u\)、送風機効率は \(0.96 p.u.\)であり、消費電力は \(42.7 kW\) である。さらに、ダンパ開度を調整して定格風量の 50%で運転するとき、消費電力は \(37.8 kW\) となる。
なお、さらにダンパ開度を絞っていくと、風量や圧力が脈動し、送風機の振動が大きくなり運転 できなくなる。この現象を\(\fbox{6}\) という。この現象が現れる動作点を\(\fbox{6}\)限界という。
<6 の解答群 >
ア サージング イ ダンピング ウ モーメント
2)次に、インバータ(効率 95 %)による誘導電動機の速度制御を導入し、ダンパを全開にして、送風機の回転速度を変えることで風量を制御する場合を考える。
i)図2において、風量が定格風量 \(q = 1 [p.u.]\) のときの動作点は点 C、定格風量の80%のときの動作点は\(\fbox{7}\)、定格風量の50%のときの動作点は\(\fbox{8}\)である。次に、各動作点における消費電力を算定する。
<7 ~ 8 の解答群 >
ア D イ E ウ F エ G オ H カ I
ii) 風量を定格風量 \(q=1 [p.u.]\)に制御するとき、消費電力は\(\fbox{9} [kW]\)である。
iii) 風量を定格風量の 80%に制御するとき、回転速度は\(\fbox{10} [p.u.]\)となり、このときの消費電力は\(\fbox{11} [kW]\)である。
iv) 風量を定格風量の50%に制御するとき、消費電力は\(\fbox{12}[W]\) となる。
<9 ~ 12 の解答群 >
ア 0.25 イ 0.64 ウ 0.75 エ 0.80 オ 1.0 カ 1.3
キ 5.8 ク 24.0 ケ 30.0 コ 33.3 サ 46.8
3)速度制御を用いた場合の1日の消費電力量は、ダンパ制御を用いた場合の1日の消費電力量
\(979.6 kWh\) に対して、\(\fbox{13}\)[%] であり、省エネルギー効果が確認できる。
< 13 の解答群 >
ア 45 イ 55 ウ 65 エ 75
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