こんにちは、はっちです。
電験1種、2種試験が終わりはや2か月。
もうすぐ合否発表だなと思いつつも、思い出すと少し落ち込みます。
まだまだ勉強しないといけませんね。
今回はR6年度電験2種二次試験の問題を見てみて、難易度としてはどんな感じかなと見つつ難易度と合格率について考えてみたいと思います。
電験2種二次試験 電力・管理
試験時間2時間で配点180点中120点を占める電力管理科目。
6問中から4問選択して回答する完全記述方式です。
時間的な余裕はまだある方ですが、どれを選択するか?というは合否に直結します。
問1 汽力発電の復水器に関する問題 難易度3
昨年度と一昨年の水力発電2年連続出題の後、どうなるかと思っていたら火力発電からの出題でした。
さらに論説問題。
火力発電は論説が多いですね。
今回は復水装置と脱気器に関する問題です。
復水器の役割は比較的良く出題されていますので、その仕組みと役割については書けた人は多いのではないかと思います。
一方で脱気器については、なんとなく不純物の関連から仕組みも役割も想像できそうですが、改めて論説せよ。
と言われると書くのは中々辛い。
復水器で半分取りつつ、残りは部分点と考えればありかもしれません。
問2 油入変圧器の内部故障検出リレーに関する問題 難易度4
変圧器の内部故障を検出するリレーの仕組みに関する問題です。
比率差動リレーと差動リレーの違いを知っていれば答えやすい問題ですが、その誤作動に関する点を聞かれています。
また機械式リレーを二つと言われると、ブッフホルツリレーと衝撃圧力リレーの仕組みと役割の違いを知っている必要があります。
さらに(3)は実務的にどのように使われているかを知っている必要がありますが、これが悩ましい。
これを解答に書くことができる人は携わったことのある人でしょう。
問3 一線地絡故障時の電磁誘導に関する問題 難易度2
送電線が一線地絡故障した時の不平衡電流が与える通信線への誘導電圧に関する問題です。
1線地絡故障時の地絡電流については、電験1種では良く触れる対称座標法について学んでいると悩まずに解答できますが、
普通そうではありません。
(1)が自信を持って解答できるかどうかが分かれ目になりそうです。
残りの計算問題の難易度は低いですが、本番ではなかなか厳しいと感じてしまいそうです。
問4 配電線路のループ系統問題 難易度3
負荷の分割とループした時の問題かと思えば、後半は短絡インピーダンスに関する問題の複合問題。
急に問題の情報が切り替わった時に、情報が再度整理しきることができるかどうかが問題。
それぞれの問題の難易度は高くないですが、こちらも本番難易度としては4ぐらいをつけたい。
電流の向きなど、自分で定義する点をしっかり整理しながら解く必要があります。
問5 ガス絶縁開閉器のSF6ガスに関する問題 難易度3
SF6ガスを用いた変圧器に関する問題です。
1種試験では、工事中の管理方法、診断方法などが問われるためおなじみではありますが、2種はでどうでしょうか。
金属異物やガス圧、水分量など、充電部が密閉されているSF6ガス型絶縁変圧器特有の管理方法から問われており、
(1)知っておきたい知識ではあります。
(2)は、中々どこを論説すべきか迷うところです。100字という中で、どれだけ部分点がもらえるのかが気になるところです。
問6 分散型電源の連系に関する問題 難易度3
分散型電源から出る逆潮流に関して、電圧上昇対策として求められる方法について問われています。
系統電圧の上昇について問われているのではなく、対策について問われていることに気が付けるかどうかは大きなポイントです。
(ちなみに系統電圧の上昇については同年の1種試験で問われています。)
また、続く(2)も事故時運転要件(FRT)について聞かれていますが、その対策の方法ではなく、事故事象と、運転継続の必要性について
問われています。
そこに気が付ければ、問題としてはそれほど聞かれていることは難しくないのですが、最初読んだ時にはどうにも勘違いしてしまいそうな
出題の仕方だと感じてしまいます。
管理人が当時の実力で今年の問題を選ぶとしたら
本番という環境の中で、当時の自分が選ぶとしたら、問1、問3、問4,問5でしょうか。
問題に気が付ければ問4(配電ループ)の代わりに問6(分散型電源)を選びますが、本番で気が付ける気がしません。
また問4も複雑そうで難しいような感じがして敬遠してしまいそうです。
問1(復水器)と問2(変圧器リレー)は悩みどころです。
問2は今でこそわかりますが、当時(自分の2種受験時)は無理です。
部分点の範囲が分からないため確実に問1で半分を取ろうかなというところです。
今年の2種の問題としてしては、一見難しい。けども中身はそうでもない。という本番という環境において厳しい判断を迫られました。
点数は非常に読みにくいですね。
機械・制御
午後からの機械制御は1時間のスピード勝負。
とにかく時間が無くて焦る試験なので、ここは本当に実力が出しにくい。
そのあたりを考慮して試験問題を見ていきたいと思います。
問1 同期機の特性について 難易度3
同期機の特性として、無負荷飽和曲線、三相短絡曲線から出題されました。
そして近年ではほとんど見なかった論説が半分出題されています。
その論説部分については、それぞれの曲線名や短絡比から内容が想像できそうですが、それを本番で書くというのは勇気がいります。
続く計算問題は易しいものですが、とにかく(1)が厳しく、(2)にチャレンジしようと思わなさそう。
短い時間の中、これだけ書くのも大変。選択した人は少なかったのではないでしょうか。
問2 変圧器の無負荷、短絡試験に関する問題 難易度2
百分率抵抗降下、リアクタンス降下についての問題を解いたことがあれば、比較的取り組みやすい問題かと思います。
過去問でも出題されたことがあり、近似式の記載もあるため多くの人が選択したのではないでしょうか。
(4)はちょっと曲者かもしれません。
問3 降圧チョッパ回路に関する問題 難易度2
難易度としては高くない2にしていますが、問題の数が多く、グラフを書いたり、正確な数値計算をしたりと、
やたらと時間がかかってしまいそう。
短い時間の中でこれを選択はできなかったと思う。
問4 直列並列結合のブロック線図 難易度2
比較的分かりやすい問題が出題されましたが、(4)と(5)は計算に時間がかかりそう。
きちんと整理しつつ、部分分数分解、ラプラス変換された形に自信が持てれば難しくない問題ですが、やはり本番ではそれが難しい。
(5)はtan(-1)θの扱いに混乱してしまわないように注意です。
部分点を取りに行くには問4はぜひ選択したい問題です。
当時の実力を考えて機械制御を選ぶとしたら。
これもまた当時の自分が選ぶとしたら、問2(変圧器)、問4(自動制御)です。
問1は機械制御の短い時間の中、傾向を変えてきた論説問題にチャレンジするのは厳しい。
問2、問4は共に選んだとしても、当時では完答は厳しかったかもしれません。
やはり考えないといけない問題と気づきが重要です。
全体としては難易度は普通から少し低めと感じますが、どうでしょうか。
今年は電験1種、2種共に電力管理の点数が読みにくいです。
それほど問題は難しくないのですが、いかんせん解きにくい。
問題を勘違いして論説してしまう人が多くいるような印象です。
ただ、問題としては非常に2種らしい問題が多く出題されました。
点数調整はあったとしても105点ぐらいかなと予想しますが、108点(6割)でさらに二次試験合格率が20%と高い。
と言われても納得してしまいそうです。
論説の部分点が見えていないため、結果が気になるところです。
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