難しい?令和7年度エネルギー管理士試験(電気)難易度と合格率予想

エネルギー管理士

こんにちは、はっちです。

暑い日が続く8月上旬に実施された令和7年度エネルギー管理士試験。

朝から夕方まで。長時間にわたりお疲れ様でした。

今年も省エネルギーセンター公式HPより、出題問題の掲載と標準解答が掲載されています。

今年も問題を解いてみた感想と、印象に残る問題とそれぞれの問題の難易度について見ていきたいと思います。

全体としては、計算問題を確実に解いて合格に近づけるレベル。

という感じでしょうか。

難易度は1~5の評価で2程度が電験3種程度、5が一番難しいレベル(電験2種レベル)です。

課目1 エネルギー管理及び法規 全体難易度2

改正省エネ法になって3年目の今年。

問題の傾向も固まってきたかなと思いますので対策はやりやすくなったものと思われます。

いやらしい問題も少なく、全体的に解きやすい問題が多く出題されました。

問1 エネルギーの使用の合意化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律及び命令 難易度2

やはり改正された範囲が半分程度、勧告などの覚えにくいところからの出題は少してこずるところかと思いますが、やはり工場のエネルギー原油換算の問題が易しくなっているため、さほど時間がかからず解けるのは助かるところです。

使用した電気の出どころに関する問題は昨年も出ました。定期報告で間違える事業者が多いのかもしれません。

問2 エネルギー情勢・政策、エネルギー概論 難易度2

震災前と震災後。

原発を取り巻く環境において、大きくエネルギー事情が変わってしまう境目についての問題です。

この問題からは経済産業省としては少しずつでも原発のエネルギー比率を元に戻していこうという思いを感じます。

問3 エネルギー管理技術の基礎 難易度2

比較的基本的な問題が出題されたのではないかという印象です。

過去問に類似の問題もあり、得点しやすかったのではないかと思います。

デマンドの問題は頻出です。必ず押さえておきましょう。

課目2 電気の基礎 難易度3

毎度毎度言わせていただきますがタイトル詐欺ですよね。基礎と言えども難しい課目です。

問4 電気及び電子理論 難易度2

変圧器のインダクタンスに関する問題が出題されました。

一部等価回路で迷うかもしれませんが、難易度としては高くありません。

続く三相平衡回路も\(ΔーY\)変換を間違えないようにしながら進めていきます。

遅れ無効電流と進み無効電流の符号の違いに注意しながら冷静に進めていきましょう。

問5 自動制御及び情報処理 難易度3

相変わらず難し目の自動制御ですが、今年はまだ取りやすい方でしょうか。

極が消えるタイプの問題は解く際に注意が必要です。

一方、後半に出題される情報処理の問題ははかなり易しいと感じてしまいますが、これは得手不得手の問題かもしれません。

自動制御の難易度が4、情報処理の難易度が2という感じです。

問6 電気計測 難易度3

接地抵抗測定は過去にも出題されていますが、知っておきたい内容ですね。

ただ、後半戦の内容は、一日の最後の問題としてはちょっと重い。

疲れもあって、中々厳しいところです。適当に答え選んでしまいそう。(選んでしまいました^^;)

課目3 電気設備及び機器 難易度3

電験と範囲がかなり近い箇所になります。ただし、電験よりも電気を使う側の視点が多く、現場で働いている人にとっては有意義な勉強か所になるかと思います。

問7 工場配電 難易度3

最初の方の文章題は工場の管理者として知っておきたいところです。

続く、配電線路の損失は簡単そうで、間違えやすい問題かと思います。注意してください。

コンデンサによる力率の改善、線路損失は非常に重要なトピックスです。

計算量は多少多いかもしれませんが、3種から来た人は非常に取り組みやすい範囲化と思います。頑張っていきましょう。

問8 工場配電 難易度4

受電方式や変圧器の結線が与える影響についての文章題も知っておきたいところです。

つづく工場負荷の問題は難しい。特に(3)はkWとkVAとの違い、成立条件も特殊、不等率についても問われる問題のため、分からないなと思ったら飛ばしてしまっても良いかもしれません。

がんばって計算問題解いても、穴埋め問題の選択肢を数秒で選んでも3~5点です。

難しい問題は深追いせずに、解ける問題を確実に取りに行きましょう。

ただ、自分の答えが標準解答と若干ずれるんですよね。。。何か見落としがあるのだろうか。

A棟力率0.97で計算するとぴったりになるんですが、何か理由があるのか。。。

問9 電気機器 難易度2

今年はコンデンサが豊作ですね。

コンデンサと直列リアクトルの電圧や容量については、案外難しいのですが、知っていれば秒殺です。

一度計算して確認してみるのも良いかなと思います。

変圧器の無負荷試験と短絡試験は頻出です。

この問題は基本的なところを求められるため、理解するには良い問題かなと思います。

ぜひ解いていきましょう。

問10 電気機器 難易度2

同期機や誘導機に関する問題です。

ただ、以前は同期機についての問題は電験3種、エネ管では出題頻度がそれほど高くなかったのですが、昨今エネ管においては良く出題されるようになってきています。2種以上を勉強されている方は問題ないとは思いますが、3種から来た人には少し難しく感じるかもしれません。

同期機の内容としては難しく無いのですが、同期機って苦手な人多いですよね。

課目4 電力応用 難易度 3

エネルギー管理士試験、最大の難関である課目4。毎年悩ましい問題が出題されますが今年はどうでしょうか。

選択問題の難易度差が気になるところでした。

問題11 電動力応用 難易度2

最初から超難関そうなベクトル制御の問題ですが、平成28年にほぼ同じような形で出題されています。

ただ、この手の問題は同じ問題であっても理解が難しいため、何度でもやられてしまう問題かなと思います。

\(\frac{d}{dt}-\omega\)とか。

はっち
はっち

え?次元どうなってんのさ?

となってしまいましたが、数学的にはありなようです。(*’▽’)偉い人に聞いてみた。

ただし、一見難しそうに見える問題でも、例によって求められる空欄は代入して計算するだけの箇所がほとんど。

難易度は2にしていますが、内容は5以上。

試験時間中に意味を理解しなくても解ける。ということを知っているかどうかが重要です。(コラ)

問題に慣れている人はぜひともチャレンジして、少しでも点数を取っていきましょう。

後半の搬送用電気車両も似たような問題が何度も出題されています。

回生エネルギーについてしっかり理解しておきましょう。

問題12 電動力応用 難易度3

ここもロープトラクション式EVと単位法を用いた送風機の問題です。

過去問に比べて簡単になっているため、ここは点数の稼ぎどころですが、見た目難しそうなのが困りもの。

しっかり落ち着いて解きましょう。

送風機の問題も過去に何度も出題されていますが、単位法が割合なだけに、効率などの「%」とかなり混在しやすくなります。

今何を用いて計算しているのか。定格\(1[p.u.]\)の時の値をしっかり整理しておきましょう。

ぱっと見難しそうな問題が続く問11、12ですが、中身は比較的簡単です。

他の問題を解いてゆっくり取り組みましょう。得点源です。

問13 電気加熱 難易度4

今回課目4の電力応用の中で最難関だったかと思います。

タングステンなどの材料に関する文章問題も難しく、計算問題も、抵抗が変わることで何が変わるのか。何が変わらないのかを整理しておく必要があります。

問14 電気化学 難易度1

どうした電気化学。

といってしまうぐらいの難易度。

特に計算問題が出題されず、かなり他の選択問題と比較して解く時間が短く済ませることが出来ます。

内容もさほど難しいわけではないので、ここを得点できた方はぐっと合格に近づいたのではないかと思われます。

問15 照明 難易度3

毎年難し目の問題が出題される照明に関する問題。

配光曲線やLEDの消費電力に関する問題の難易度は高め。無理せず解けるところを解いていきましょう。

照明に関する公式は覚えにくいですが、しっかり覚えておけば得点にすることが出きます。がんばりましょう。

問16 空気調和 難易度2

評価の難しい空気調和は熱をやっていたり、ビル管理で熱源の管理をしている、また、空調設備に詳しいと取りやすい分野です。

課目1でも出題されるような問題も出てくるため、他の選択問題が厳しい時は一度問題を見てみてもいいかもしれません。

今年も知識問題ばかりで難しい計算問題は出題されませんでした。

令和7年度のエネルギー管理士試験を解いて。昨年に比べてどう?

全体的に取り組みやすい問題が多かった印象ですが、解き方がわからないと、何もできない。

という問題もありました。

課目1は易し目

課目2は若干易し目

課目3は平年通りか

課目4は初見〇しはあるが少し易し目

という全体的に去年よりももう少し易しくなった感じです。

電気の合格率は上がりそうな気がします。

ただ、本番の時間制限の厳しい。その中でどれだけ実力を発揮できるかが大事です。

いつもの80%も力が出せれば上出来です。頑張っていきましょう。

問題の詳細は省エネルギーセンターより問題と標準回答が公開されています。

ECCJ 省エネルギーセンター / エネルギー管理士 目次
エネルギー管理士制度の内容及び国家試験、認定研修の内容を掲載してあります。

取得から5年経つ管理人も解いてみた(メモ程度)

疲れた。。。

時間も図らず、気楽な気持ちで解いておりますので、本番のプレッシャーとは違うのですが、それでも疲れました。

所要時間は3~4時間でした。

課目1エネルギー管理

課目1 178/200点 (89.0%)

やはり新しい条文は厳しい。類推してなんとか正答をつかんでいますがいくつか間違えてしまいます。

課目2電気の基礎

課目2 126/150点 (84.0%)

電気計測は知らないところが多く、苦手です。

課目3電気設備と機器

課目3 192/200点 (96.0%)

不等率の問題は今年一番の問題ではないでしょうか。時間がかかりました。

課目4電力応用

課目4 168/200点 (84.0%)(選択は電気加熱と電気化学)

送風機の問題でかなり手こずりましたが、絵を書いて整理して%の間違いの無いように注意しました。

電気加熱は難しく、送風機の問題と同様に絵を書いて整理して進めていきました。

選択問題も解いたのですが、照明と空気調和を含めると、239/300点です。照明計算のミスが痛かったです。

課目3以外は受験当時と似たような点数が取れました。

課目3についてはやはり電験の勉強をしているからでしょうね。

広域的な電気の関りが多い勉強内容ですが、それでも配電や需要家についても勉強は必要ですし出題もされます。

エネルギー管理士試験は比較的素直な問題が多く解いていて勉強になるかなと思います。

ただちょっと疲れますね。。。今年限りにしようかな。

コメント