技術士一次試験合格に必要な勉強時間は?電験持っていれば簡単かというとそうでもない。

技術士一次・二次試験

技術士試験ってどれぐらい勉強が必要なんだろう?専門じゃないけどな・・・

こんにちは、はっちと言います。

今回、技術士を目指すためにまず一次試験を受験してきました。

自分は電験を取得しているため、そこそこ電気のことは分かります(あくまでそこそこ)

では電験を持っていれば技術士の一次試験は簡単でしょうか。

また大学で理系を出ていれば一次試験は合格できるでしょうか。

それぞれ出題範囲や勉強時間などについて話をしたいと思います。

技術士一次試験のレベルはどれぐらい?

技術士は一次試験と二次試験とに分かれており、一次試験を合格してから二次試験を受ける必要があります。

ただ、電験1種、2種などと違い、一次試験と二次試験は完全に別物となっており、一次試験を合格した年に二次試験を合格しないといけないことは無く、一次試験の合格は合格後ずっと有効です。

技術士一次試験は技術士補と呼ばれる資格のためでもあります。

これを持っていると技術士の補佐的な仕事ができるというものですね。

そして、技術士の二次試験を受験するためには、一定の実務経験の年数が必要です。(通常7年)

その実務経験には技術士補を取得して、技術士の下で働いていたなどの経験があると7年が短縮されます。

そのため、学生の内に技術士一次試験を取得しておき、社会に出てから必要な経験を積んで二次試験に臨む人も多いようです。

また、大学によってはJABEEという認定制度を受けており、そのJABEEに認定された必要単位を取得することで、一次試験を免除になり、申請だけで技術士補の資格を得ることもできます。

技術士一次試験は難しい?

こういった背景もあってか、技術士一次試験の範囲はおおよそ大学で勉強する範囲になっています。

違う見方をすれば、大学で学ぶ基礎、教養分野の科目は全てがその範囲。

そして選択できる専門科目はそれなりの知識を要するため、かなりの広範囲から出題されます。

そのためか、基礎科目、専門科目は選択問題制になっており、それぞれ自身が解ける問題を解けば良いことになります。

さらに合格基準ラインは50%。

基礎科目は30題出題されて15題を選択するのですが、その内の8問を正答できれば合格ということになります。

出題された問題の中でおおよそ26.7%。全体の3~4問に1問解ければ合格できますので、合格基準ラインは甘いです。

ただしかなり範囲が広いため、大学生の時にどれだけ勉強したか?というのは、この技術士一次試験の合否に大きくかかわってきます。

技術士一次試験の問題レベルは?

それぞれの科目で違いますので順番に見ていきます。(専門科目は電気電子分野を例にします)

基礎科目

出題されるレベルは、基礎科目であれば高校~大学の基礎程度の問題です。

一度勉強していれば、思い出せるレベルではないかと思いますが範囲がかなり広いので勉強は大変です。

では高卒では無理かと言われると、そうでもありません。

あくまで大学レベルの初歩ですので、高校卒業程度の基礎知識があれば何ら問題なく学習を進めることができるでしょう。

先にも書きましたが、大学1年~2年でどれだけ勉強してきたか?ということは、基礎がしっかりしているか?ということです。この辺りが大きく勉強時間に影響しそうです。

はっち
はっち

自分の場合大学卒業して20年弱(汗)

私にとってこういった、

それほど難しくなくても範囲が広すぎて勉強のしようがない。

というこの基礎科目が正直一番危険な科目だと思っていました。

ただ、比較的定型問題も多く、過去問を5年分もやればどれが出そうか見えてきます。

そこをしっかり押さえておけば合格はできると思います。

下のほうで過去問の紹介サイトを掲載しています。

適正科目

適正科目については、いわゆる社会人の一般常識があれば3分の1程度はいけるのではないでしょうか。

ハラスメントは無くすように努力する。 ×

バラスメントを無くすことは義務である。〇

など。

また、技術士法4章からはほぼ毎年出題されていますので、ここは押さえておきます。

細かい言い回しの違いなども出てきますが、気を付けて解いていけば合格点は取れるのではないでしょうか。

また、世界的な技術動向については押さえておきたところです。

そう言うと難しい感じがしますが、

過去問を見ていると、どういうところを出題されやすいか。というのがわかりますので、こちらも過去問でしっかりおさえておきます。

ちなみに、ここは二次試験の後半戦である口頭試験でも出題されるところになりますので、油断せずに押さえておきたいところです。

専門科目(電気電子分野を例に)

専門科目になると、基礎よりもレベルが上がり、大学の基礎問題~定期テストレベルではないかと思います。ただ、分野に特化していますので、基礎科目ほど苦にならないのではないでしょうか。

ただ、電験で例えられると3.5種ともいわれますが問題は簡単ではありません。

電験は1種が一番難しく3種が一番易しいです(全然易しくないですが)
その下に電気工事士1種、2種があります。

私の感覚としては電気工事士1種~電験2種程度まで幅広く出題されている感じがします。

が、

難しい問題は選ばなければ良い。

という割り切った考え方をすれば電験3.5種と言われるのも分かる気がします。

電気電子分野専門科目の範囲は?

専門と言えども範囲はかなり広いので、こちらも勉強が大変です。

発送配電:主に電力関連の問題です。発電機、負荷、力率など電験で言えば電力の範囲になります。

電気応用:基本的な電気の知識を応用させた問題が出ます。直流回路、交流回路などから始まり、電動機、電磁気、過渡現象、パワーエレクトロニクスなどが範囲になります。

電験で言うと、理論、機械範囲でしょうか。スターデルタ変換など押さえておきたいところです。

電子応用:半導体やオペアンプ、論理回路、自動制御などが出題されます。電験で言うと機械分野です。

情報通信分野:変調方式、インターネット、情報理論など電気の勉強では触れにくい範囲です。一応機械の範囲となりますが、苦手としている人も多いかと思います。

フーリエ変換など苦手な範囲です(個人的に)

電気設備:電源設備、配電など現場に近い範囲になります。こちらも電験だと電力と法規の範囲です。

電験3種を取得できていても困る問題は多く、やはり覚えていないと解けない問題も出てくるため、簡単ではありません。

3種取っていれば楽勝?

悩ましいところではありますが、3種持っていた上で、数年分の各科目の過去問を解き、電験では出題されにくいが得点しやすい分野(例えば情報処理)で定型問題を把握しておけば大丈夫じゃないかと思います。

自分の場合、3種取得して10年以上経過しています。

それほど甘い問題ではありませんでした。

が。対策は比較的簡単です。

重要過ぎる過去問

基礎、適正、専門科目と紹介しましたが、過去問はとても重要です。

なにせ、同じような問題、類似問題が半分程度出題されることもあります。

中には数値までも一緒なものも出題されます。

何度も過去問をやっていると、

はっち
はっち

またこの問題か。答えは覚えているけど、一応解くか。

みたいな少々試験の趣旨とは違う点の取り方もできてしまいます。

前の段落で、範囲が広くて大変みたいな話をしましたが、実際にはおおよそ過去問で対処可能になってしまっているのも、合格率が3割~5割程度とかなり高くなっている理由かもしれません。

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管理人が勉強したおすすめのサイトと参考書

これらの傾向を踏まえて自分が勉強した方法を紹介します。

基礎科目

技術士ナビさんの過去問を3年分ほど解きました。解説があるので非常に助かります。

理解しておけば数値変えただけの問題なども押さえておけます。

技術士試験ナビ - 資格部
エンジニア最高峰の国家資格試験『技術士試験』を徹底解説! 過去問題・解説(基礎科目/適性科目/専門科目)をはじめ、試験情報、試験対策方法、おすすめコンテンツなどを紹介します。 Twitter(@hpe...

適正科目

こちらも技術士ナビさんの過去問を6年ほど解きました。こういう文章の問題は解説があると非常に助かります。

専門科目

電験持っているのでそれなりにできるだろうと思っていましたが、こちらの本を購入しました。

過去問から選び抜かれた200題を掲載していただいています。

ただ、やはり難しめの問題をチョイスしている印象。

似たような問題も出るので非常に有効なのですが、いかんせん解説を簡易にしようとしているためか、ある程度知識のある人向けになっています。

ただ、出題傾向はかなり掴んでいると思います。

苦手な分野でも、なんとなく答えを覚えておくだけでも点数が取れてしまいます。

この本を一応一通りやりましたが、フーリエ変換など訳が分からない(ぇ)分野については飛ばしました。

必要な勉強時間は?

勉強時間は大学や高校での勉強に大きく左右されます。

しっかり勉強してきている人なら過去問を数年分解いて、解法を理解するという作業を10時間ぐらいで大丈夫でないでしょうか。

そうでなくても、思い出すことができれば30時間程度と思います。

電験3種を取得している方はこの二つの範囲内だろうと思われます。

一方で現役学生を離れて数十年。または高校、大学時代全然勉強していない。という人はそれなりに勉強時間が必要です。

ここについては勉強の下地部分が大きくかかわってくるので明示はできません。

ある評価項目では、電験3種と技術士一次試験を同等に評価しているところもありました。

まったくの0から勉強し理解しようとするならば、その難易度は電験3種に近いかもしれません。

ただ、電験3種と比較すると、やはり問題の難易度は高くても試験を合格するための難易度としては3.5種ぐらいかなと思います。

なんといっても正答率50%で合格できます。

ただし、それでも合格率は40%~50%の技術士一次試験。

大丈夫だと思っていても、基礎、適正科目で落としてしまうことも良く聞きますので、油断しないようにしてください。

試験料は11,000円です。

技術士を目指すためにはこの後からが本番です。躓かずに一気に駆け抜けてしまいましょう。

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