難関試験の電験2種。
その中でも特に難関とされる二次試験。ですがそのうちの二次試験は出題傾向が見えやすく、絞った勉強をすることも可能です。
ただし、その傾向によらない可能性もあるため”運”ということにはなってしまいます。
幅広くすべての分野を抑えておくのが本当の実力のためにも重要ですが、試験日まで残り数日であれば、絞った勉強もありです。
令和6年度 電験2種 機械制御 出題傾向
電験2種二次試験、機械制御の科目ではほぼ計算問題のみが出題されていましたが、平成30年に誘導電動機の論説問題が出題されて驚かされました。ですが、電力管理に似た分野であったことと、さほど難しくはなかったことなど、機械制御は計算問題のみで論説対策は無しで行くことにしました。
さらにパワーエレクトロニクスは除外。
ここまでは通常の勉強の段階で絞っていました。
電動機系の問題を過去問から出題傾向を絞る。
電力管理に対して、機械制御は4問しか出題されず、またその中から2問選択する形式です。
出題側もその中でどれを重視して勉強してもらうか。ということを考えると、比較的傾向が見えてきます。
昨年度までの出題傾向をまとめてみました。(2024年度は予想を入れています。)
2022年、2023年と連続で同期機が出題されました。誘導機が二回連続で出題されなかったことが見える範囲では無いため、おそらく誘導機は出題されるのではないでしょうか。
変圧器は例年出題率も高いため、出題される可能性が高めかと思われます。
また、1種の傾向では、変圧器が出難い傾向にあります。
そのため、電気設備の重要設備である変圧器については、唯一出題される2種で出題傾向が下がるとは考えにくいです。
一方、発電所の主力である同期機は、大型発電所を管理できる1種だからこそ出題されやすいとも言えます。
次に一次試験の出題範囲を確認してみたいと思います。
一次試験と二次試験の関係
基本的に電験2種、1種の試験は一次試験と二次試験とセットです。
そのため、一次試験で出題された範囲については二次試験では出題されにくいと言えます。
令和6年度の電験2種一次試験、機械科目では、
問1 同期機の磁束に関する問題
問2 電気鉄道で利用される誘導電動機の制御に関する問題
問3 交流遮断器の仕組みに関する問題
問4 昇圧チョッパ回路に関する問題
問5 燃料電池に利用される燃料に関する問題
問6 光の放射エネルギーと諸量に関する問題
問7 誘導加熱に関する問題
問8 光センサに関する問題
となっており、問1~4の範囲が二次試験に関与してきそうな個所になります。
一次試験で変圧器の出題はありませんでした。
この傾向からすると、二次試験では変圧器と誘導機が出やすそう。と予想されます。
ただ、このように予想していても、変圧器については電力管理で出題されてしまうこともあります。
昨年度似たようなことを書いたのですが、変圧器は出題され、もう一つは同期機からでした。
電力・管理でも水力が二回連続で出題されていることから、ちょっと傾向を変更しようとしているような気もします。
予想を過信せず、広めに勉強しておくことをおすすめします。
自動制御は毎年出題される得点源
自分が使用した参考書はこれだけシリーズの機械制御でした。
これだけ機械制御の構成は、最初に自動制御。その後に変圧器、誘導機、同期機、直流電動機、パワーエレクトロニクス。という構成です。(現在改訂版が出版されており、構成はほぼ同じですが、採用されている過去問などが更新されています。)
本来であれば出題されそうな順番だったり、電気の基本に近いところから始まりそうなものですが、これだけ機械制御の場合、
自動制御を一番最初に持ってきた上に、そのページ数は全体の3分の1程度に及びます。
それだけ、
自動制御を得点源としなさい!
と言っているようでした。
このような参考書の構成は、最後まで行けない人でもある程度の効果を見出すためだとは思います。
この構成を見ても、これだけ機械制御は”自動制御”に力を入れていることがわかり、逆に毎年ほぼ必ず出題されるのにパワーエレクトロニクスどうした。
という感じです。
それだけ自動制御が取りやすく、パワーエレクトロニクスが難しいものだと本の構成から理解できます。
実際に参考書一周目の勉強時にパワーエレクトロニクスも勉強したのですが、かなり厳しい。
これを解けるようになるのは相当時間がかかりそうだ。と思いパワーエレクトロニクスを除外して勉強します。
誘導機、変圧器、同機器の2問中1問がいければ、後は自動制御を選択します。
どうにも難しかったらパワエレも視野にいれるけど多分無理だろうなと思いっていました。
自動制御は比較的定形な問題が多く、計算量こそ多くとも、0点ということは少ないのではないでしょうか。
一方で自動制御は意味がわかりにくい世界とも見えます。
このあたりは慣れかなと思います。こういうものだと受け入れてしまえば、やはり得点は取りやすいかなと思いました。
自動制御で現代制御理論は勉強すべきか。
得点源として当てにしている自動制御ですが主な出題範囲は古典制御です。ただ、過去にH28年に現代制御理論の範囲から出題されています。
この年は幸なことに電動機系の問題が比較的簡単だったらしいことから救われた人もいたみたいですが、逆に本番で焦ってしまった人もいたでしょう。
そうならないためにも、現代制御理論を少しだけ勉強していきました。
少しだけというのは過去に電験1種二次試験で出題された問題をさらっと勉強していく程度です。
古典制御に比べて、わけの分からなさががパワーアップした現代制御理論はかなり意味不明。
ですが、出題傾向は似ており、もし現代制御理論が出題されても0点ではないようにしておくだけでも精神的にも安心です。
ぱっと見てわけがわからないですが(苦笑)やっていることはどちらの問題も似たようなものです。
計算過程は難しいことではないので、解答を見ながらさらっと勉強してしまいましょう。
出ればラッキーです。出た場合、他の受験生にかなり差をつけられることでしょう。
また、一方で、電験1種で古典制御が出題されることもあります。
1種古典制御の中でも比較的難易度の低い出題がされたものが、令和元年度、H26年度、H23年度などになりまして、2種二次試験のいい練習になるのではないかと思います。
機械制御は時間数が短く余裕がありません。焦りと緊張は電力管理よりも強く出るのではないでしょうか。
少しでも安心して試験を進めるためにも、効率よく行ければと思います。
がんばってください!
コメント
同期機と現代制御、出ませんでしたね(^ ^;
両方とも今年出る(現代制御は出るかも)と思って自分も1種の問題をやりました。
お陰で苦手なこの二つについて少しだけ自信が付いたので、「どんと来いやー!」と思ってたら出題されなくて思いっきり肩透かしくらいました笑
でも、出ないだろうと思って出題されるより、その方がまだ良いかなと思います。
それに来年はその二つの出題される可能性が高まりましたし。
まさかの誘導機にはびっくりしましたけど、捉えどころを間違えると全問不正解の可能性があったので自分はスルーしました笑
自分は時間掛かることを覚悟して変圧器と自動制御を選びましたけど、最初に自動制御からやって解き終えた時は30分経過しててかなり焦りましたね。。。
でも、機械・制御は愚直に過去問を繰り返しやっただけに、結果に繋がったのかなと思います。
いやはや、この記事はいまとなっては恥ずかしいばかりで。
こそこそと令和3年度予想にタイトルを変更しています^^;
コメント気づいていなくてすみません!
変圧器と自動制御のボリュームは多かったですね。
とっつきやすかった分、確かな勉強と何度も問題を解いて慣れていることが大事だなと思いました。
やっぱり、「どんと来いやー!」ぐらいの気持ちが無いとあの60分は戦えないですよね。
現代制御のような不安を潰すところまで勉強している人が合格に手が届くのではないか、なんて思います。
結果が出るまで長いですよね。
まだ先ですが、楽しみにしています(^^)