令和6年電験1種二次試験受験してきた感想と難易度(電力管理編)

電気主任技術者試験(電験)

今年も電験1種二次試験が11月10日(日)に実施されました。

今回は出題された問題の難易度や感想、また、管理人の受験心情を表しております。

3回目ともなると、もうすっかり試験の雰囲気にも慣れて・・・

なんてことは全くありません。相変わらず緊張がちがちMAXでの戦いになります。

まずは、問題の難易度を改めて落ち着いた状態で考えてみたいと思います。

令和6年電験1種二次試験電力・管理の問題の難易度

試験日最初の科目は電力・管理です。試験時間は2時間で、配点は180点満点中120点あり、合否のかなりの部分を占めます。

問1 流れ込み式水力発電の発電量(計算) 難易度2

昨年と一昨年と二年連続火力発電が出題されました。

今年は?と思ったところ水力発電に落ち着いたところです。

比較的易しい流量と発電量の計算ですが、最初の流量を求めるところが、問1の焦りと緊張がマックスの状態では厳しい問題です。(´・ω・)ねぇー

ここを間違えると部分点はあるかもしれないが、総崩れの可能性も。

純粋に計算の腕力が試されます。

過去問に似たようなものもありましたが、以前の方が難しい代わりに一部論説が求められました。

問2 2重母線1ブスタイ方式と母線保護リレー(論説) 難易度3

母線については重要な電気工作物ですが、あまり出題されない気がするので対策していた人は少ないのではないでしょうか。

難易度としては一般的な母線形式(何を一般とするのか)なので、単一母線方式に比較して信頼性、運用、事故、工事についてのメリットを書けば良さそうです。

ただ、単結図を描くのは本当に変電所などの人でないと難しいのではと思ってしまいます。

問3 電力用ケーブルの送電特性(論説+計算) 難易度2

電力用ケーブルと損失の問題かと思いきや、高電圧送電における送電距離の問題につながります。

またグラフを描くような指示もあり、この点で敬遠してしまった人も多いかもしれませんが、問題はさほど難しくない(はず)です。

一度でも何かの参考書でこのグラフを見たことのある方は強いかもしれません。

問4 1機無限大母線系統の特性(計算) 難易度3

見た目にもよくありそうな電力系統の電圧に関する問題ですが、どんな文字が解答として使えるかを気にしながら式変形しないとかなりの遠回りになります。

特に今回の問題は小擾乱安定性と何度もでてきており、そこが導出のヒントになっているのですが、そんなこと本番で分かるはずありません。(-_-;)うーん

(1)を解いて、(2)でそのことに気がつき、やり直し、ないしは諦めた方は多いのではないでしょうか。

問われている内容から、何を中心に考えていくか。

解答までの道筋を立てられないと厳しいです。

本番難易度は圧倒的に5。

問5 分散型電源の導入と配電電圧(論説) 難易度3

分散型電源の連系により、配電系統の電圧上昇、供給側の対策と一般送配電業者の対策についての論説問題です。

何か色々と書けそうな問題ではありますが、出題者の意図通りに答えられるかどうかが非常に悩ましい問題です。

特に分散型電源との表記。

それが誘導発電機なのか、同期発電機なのか、逆変換装置なのか特定できず、制御方法もわからないため、何を書けばいいのかわかりません。

発電制御で系統に遅れ無効電力を供給するから電圧が上がる。ぐらいのことは書けても200字は辛い。

後半は発電抑制とMPPT制御辺りがポイントになるのかもしれません。

携わったことのない人にはかなり厳しい問ではないでしょうか。

問6 高調波電流の管理(計算) 難易度?

影響の比較的大きい第5次高調波に関する問題。

発電機があるので、高調波の割合が大きくなる話かと思いきや、そうでもなさそう。

高調波拡大現象でもない。

自分がわからないことを問われているのかもしれません。評価できず。

全体の難易度とイメージ

全体として、電気事業者よりの出題ではありますが、各所各所ピンポイントで問題が出題されたようなイメージです。

電力会社に勤めていると有利かもしれませんが、分野が該当すれば良いかもしれませんが、そうでなければ差はでにくいのかなと思います。

また、答えにくい問題が多かった気がします。自分としては昨年度より難しいと思ってしまいますが、これを簡単と思ってしまう人は多いのではないでしょうか。

昨年と同様に、こちらは試験終了数日後に書いております。

なので、見たくない。と思いながらも比較的冷静に、後、少しかっこつけて書いています。

そして、選択していない問題はゆっくり検討できてたりします。(問4、問5)

では、実際の管理人の試験中はどうだったでしょうか。

焦りと緊張の電力・管理2時間です。

管理人 令和6年 地獄の電力・管理

やることはやった。あとは問題を解くだけ。

そう思いながら臨む一時間目の電力・管理、勝負の2時間。

ここの配点は全体の3分の2なので、かなり合否を左右する時間です。

寧ろここで余裕ができると昼からの機械・制御がかなり楽になります。

ここである程度点数を取っておきたい。さぁどうだ。問題を開きます。

1時間目 電力・管理 10:00~12:00

電力・管理は6題中4題を選択して回答します。ですので、まずは全部の問題から何を選ぶか考えることから始まります。

問1 流れ込み式水力発電の流量と発電量の問題か。

見た目にも過去に出題されたタイプよりも簡単そう。これはいけるか。

問2は母線の問題。また保護リレーについても問われている。

昔の過去問で二重母線4ブスタイ方式や1(1/2)母線方式が出題されたことがあったが、今回は二重母線1ブスタイ方式。

良くある(らしい)方式だ。

内容としては特徴を出すでもなく二重母線の問題。

ただ、保護リレーが悩ましい。ここについては調べて勉強はしたが、書いてある本によって内容が違っていた。どちらが正解なのか分からない。種類が色々あるのだろうと解釈していたが、いざ問題として出題されると悩む。保留。

さあ、次は・・・と思った時、急に近くから電卓をドンドン叩く音が。すごい。机が揺れているんじゃないかと思う響く音。

問1の計算問題をやっているのだろう。

ちょっと電卓がかわいそうなぐらい強く叩かれている。

いかん、気になる。こんなことで集中が乱されるとは。。。でも次を見なければ。

問3は送電量電力と距離の問題

ケーブルであることが重要そう。

ただ、(1)の抵抗損以外って、、、

後から知り合いと話をしていましたが、抵抗損以外で有効電力が減る要因があるのだろうか。との話でしたが、確かにそう思う。

悩ましい。保留。

問4は無限大母線のあるよく見る送電電圧の問題だ。これはいけるのではないだろうか。やってみよう。

問5は分散型電源が与える配電系統への影響

確かに潮流が多くなれば電圧が上がりそうなんだが、どういう理由かをぼんやりと考えたことがある。

系統は基本遅れ無効電力を必要とするため、PCSの制御によって遅れ無効電力を供給する。

結果コンデンサのような働きもするため、電圧が上がるんだろうと考えた気がするが、今回は「分散型電源」という大枠な表現。対象が様々なので一くくりにできるような内容が無い。

また、太陽光発電が与える供給側から見た配電系統の電圧不安定現象によって、電圧が下がるという文献も見たことがある。

それと自分の考えた内容とは逆の現象になっており、その違いまで検証しなかった。

少しは色々書けるか?と思ったが、求められる論説は、”200字程度で答えよ。”とのこと。

恐らく答えは無効電力だけじゃない。何があるんだ。

続く問題は一般送配電側の対応としては、確か今年の一次試験でオンライン制御だとか、スケジュール制御だとか出題された気がする。

再度同じ答えってことは無いだろう。じゃぁなんだ。と、考えてはいたが深い内容まで論説できない。これは厳しいか。

問6は高調波のひずみ電流に関する問題。。。ぇぇ・・・高調波の問題は今年一次試験の理論で出たじゃん。

もう出ないと思ってやってないよ。。。

そうなると、問は1,2,3,4だ。まずは、問2から行くか。電卓のドンドンする音が気になる。

問2 母線の形式と保護リレーを考える

まさかのいきなり単線結線図を描けとか。

最近ベクトルを描かされることもあり、定規があると時間はかかるがきれいに描ける。

送電線4回線・・・多いな。以外に時間がかかってしまった。

リレーの問題は記憶にあるどちらの本からの知識を採用して描いてみた。いいのか。

問題用紙1枚目使用

問1 流れ込み式水力発電はできそうだ

次は問1だ。これは時間がかかると思うが確実に解きたい。

さぁ・・・あれ?いきなり積分するのか。まぁ、いっか。

計算の結果は。。。期待した数値にならない。

なぜだ。

これはきっとこの数値になるはず。というのが問題から見て取れる。でも出てこない。なぜだ。(多分計算ミス)

見直しをするも間違いが見つけられない。

ダメだここで時間は取れない。できないものはできない。他の問題だ。

問題用紙を2枚目を使用。

問4 電力系統の電圧と位相差に関する問題はできるだろうか?

これも時間がかかりそうな計算問題だが、問1みたいに数値ではなく記号なので時間がかかりそうだが何とかなりそう。

さぁてと計算を進めて式を導出するが・・・あれ?普段の問題とかなり問題の色が違う。まだ(1)。

まじか、楽勝だと思ったら捻ってある。

これ、最後までたどりつけるか?道を外せば答えまで相当大変なパターン。いけるか?

だめだ集中力が乱れる。気が付けばそれほど難しくはないはず。ただ集中できない。

問題用紙3枚目を使用。

問3 ケーブルの送電電力に関する問題・・・

論説中心なのだが、最後にグラフを書く必要がありそう。

このグラフを見たことはあるが、調相設備入れればいいじゃん。と思ってあまり深く見ていなかった。

最後には計算問題も見受けられる。大丈夫か。

計算問題もグラフも作成し、完了。よし次だ。(結局計算ミスしたっぽい)

残るはやらないと決めていた問6か。ただ、解答用紙は4枚使ってしまった。

既に全部の解答用紙に何か書いてある。

全消し。の言葉がよぎる。

問6は全消しの前にやってみよう。できそうだったら問4を消そう。そう思い問6を進める。

問6 良く分からない第5次高調波に関する問題

それほど難しくなさそうな感じがする。普通の高調波の問題か。

・・・

一応解いたが、おかしい。途中で間違っている気がする。

こんなに簡単なわけはない。おそらく自分が問題を理解できていないのではないだろうか。

ただ、他の問題もダメ。だったらこれでいいかとあきらめも入る。問4は全消しだ。

全ての問題を一通り手を付けて、残り40分。現在の状況は。

問1 0点

問2 5割ぐらいか

問3 8割ぐらいか(計算ミスにより6割)

問6 4割ぐらいか

全然足らない。

問1を何とかしなければ。ただ、問1の積分計算の間違いが見つからない。

何を勘違いしているのか。焦って考えられない。

いや、もういい。先に行こう。数値が出ていなくても、考え方で部分点もらえないだろうか。

解答の筋道はできている。

がりがり計算して、一応最後まで到達。それっぽい数値にもなった。

でも違うんだろうな。

10点ぐらいもらえないだろうか・・・

そうであれば、合計60点ぐらい。(120点満点)←後の計算ミス発覚で55点ほどかと。

それでも明らかにダメな点数。くそう。悔しい。

ただ、残り時間はちゃんと見直しに使わなければ。

昨年度は論説の主旨を外してしまい、それで大きく減点されたものと思われる。ちゃんと問題文を見直す。。。と。

再び問3 ケーブルの送電電力の問題

(1)(2)と比較して気が付く。これ言葉が違う。

論説を進めていくが、単位が[MW]だったり、[MVA]だったりでものすごく分かりにくい。

ただ、主軸のぶれた論説解答になってしまった気がする。これでいいのだろうか。

そして、問1。単位の桁数に違和感があったため解きなおすと、違った。危ない。

ただ、どのみち数値適当だしなと、考えるも、まぁいいや。間違いは間違いだ。

そしてきったない字を修正していると試験終了まで残りわずか。

時間になりましたので解答を止めてください。

最後までどんどん電卓叩いていたな。どこかの誰か。

令和6年 電験1種二次試験 電力・管理の感想

厳しい。非常に厳しい。問題はさして難しいものでは無かったはず。

でも、自分が出した答えが信用できなかった。おかしい、おかしいと焦ってしまったのが大きな敗因。

望みが無いわけではないが、相当厳しいだろう。

昨年度の10倍は厳しかった。

どっと肩の力が抜ける。

昼からの機械制御、一体どうなるのだろうか。続きます。

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