技術士二次試験はどうやって勉強したらいいんだろう?
本当にこの勉強でいいんだろうか。
という疑問は技術士の勉強をしていると常に付いて回ります。
参考書を見ても論文の書き方が多く、自分の分野にピンポイントで役に立つ情報は少ないです。
そんな状況の中、1日1時間の勉強で対策した技術士二次試験の勉強法を紹介します。
技術士の勉強方法と実力
私は電験、エネルギー管理士(電気)の資格取得のために勉強をしておりました。
主に電験の勉強をしてきたため、電験と分野が大きく被る電力・エネルギーシステムで受験することを考えたのですが、出題される問題が実務に則した問題も含まれるため、実際に自分の実務に合った科目を選択しました。
電力・エネルギーシステムの例として、
非常用発電機の導入プロジェクトの責任者として、業務を進める手順、留意点、工夫すべき点を述べよ。
のような問題が出題されることもあり、実際に業務をしていないと想像もつかないような問題が出題されます。
また、実務経験として最初に業務経歴書を願書で提出する必要があります。
この業務経歴書を使って、技術士二次試験の口頭試験で試問されます。このときに、業務経歴書と実際の受験科目が合っていないと、不合格になる可能性が高いです。
口頭試験では実務について、本当に本人がやった仕事なのか?どう工夫したか?など問われますので、自分で行った仕事でない場合、バレる可能性が高いです。
試験官はその部門の技術士と言われておりプロです。ごまかしは通用しないと思った方が良いかもしれません。
私の場合、電気主任技術者として特別高圧受電設備を管理していますので、電気設備で受験をしました。
技術士二次試験の5つのおすすめの勉強方法
技術士二次試験は筆記試験と口頭試験に分けられます。筆記試験の合格率は10~15%とかなり低く、口頭試験はその合格者の中から1~3割程度の人が落ちる試験です。
ここで紹介する5つの方法は筆記試験に注目したものですが、口頭試験でも使えるものです。
一つずつ紹介していきたいと思います。
1、論文の模範解答例を読む
まず最初に行ったことは、模範解答例を読み込むことでした。
いきなり論文を書けと言われても、書き出しからどうすればいいのかわかりません。
それも時間無制限で一つの研究論文を作成するようなものではなく、時間内にどのような論文を作ればいいのか。その到達点を確認するために模範解答はとても役に立ってくれました。
私が参考にした参考書は、新技術開発センターさんから出版されているものを使用しました。
まずは問題を知り、模範解答を知ることで、どのような知識が必要がを理解していきます。
ただ、最初は何が書いてあるのかわかりませんでした(汗)
それはそうです。
論文はある程度知識のある人へ向けて書かれています。
入口に立ったばかりの自分には内容は良くわかりませんでした。
2、入門編の本を読む(必須1、選択3対策)
2つ目は入門編、一般向けの書籍を読むことを行いました。
自分はですが、思っている以上に他分野のことを知りません。どこにどのような電気電子の技術が使用されているか。
それを知るためには、専門書よりも、一般向けの書籍で知識を吸収しました。
主に使用したのは以下のような書籍です。
絵も多く非常にわかりやすく説明していただいています。
また、
など、これらの会社はかなり色々シリーズで出していただいているので、同じような感覚で読むことができます。
色々と活用したり、技術の深みと広さをアピールするために読んでいました。
3、技術専門誌を読む(選択2ー2、選択3対策)
3つ目は、技術系の専門雑誌を読むことです。
私の場合、職場でオーム社の「新電気」の購読がされていましたので、そちらのバックナンバーを引っ張り出し、役に立ちそうな内容を読んでいきました。
空港設備特集や、病院の非接地系の話などピンポイントで知識を得ることができる点で非常に有効でした。電気設備の選択科目の場合、更新、新築計画などの出題の時、病院、浄水場、高層ビルなどが設定されることがあります。重要な技術力アピールポイントとして知識を入れておくことができます。
残念ながら出題はされませんでした。
電力・エネルギーシステム部門で受験される方であれば、一番のおすすめはオーム社から出版されている「オーム」が良いと思います。色々な新技術が載っていますので、こんな分野に適応できるかも?みたいな視点で知識を吸収すると良いかと思います。
4、電験や技術士の参考書で論説対策(選択2-1対策)
4つ目は、電験、技術士の参考書で論説対策本を使用することです。
全部の内容は必要ありませんが、自分の受験する分野の論説ができるようにしておくと、専門能力の問題(Ⅱー1)では対策が可能かと思います。
こちらの参考書も出題されそうな内容が多く、勉強になりました。
また、少なくはありますが、電気電子部門の技術士二次試験の参考書の中でも、キーワードが羅列されているものが良いかと思います。
もちろん、それら全部を理解するのではなく、自分の受験する分野に合ったキーワードを調べて理解しておくことが大事です。
それは知識の広さをアピールできますので、キーワードの中身を理解するようにしてくと応用できそうです。
また、新技術が紹介されているこんな本もいいかなと思います。
私が出会ったのは合格後でしたが、読んでると色々と使えそうな知識が多かったです。
それぞれの技術についてまとまっており、読みやすくもあります。
5,論文を書いてみる
5つ目の最後に行ったことは書くことです。
模範解答を見ても知識があっても、実際に書いてみると思った以上に書けないことに気が付くかと思います。
書けないことに気が付くのはもちろんですが、書いていると他にも色々気が付きます。
細かな知識の曖昧さ、設問の内容と合致しているか、タイトルはいるのか、設問ごとの文章量のバランスがおかしくないか。
図や表は必要か?構成が読みにくくなっていないか。
などなど。
特に、「~だと思われる。」というのは自信の無さの表れと捉えられるかもしれません。
感想文ではなく論文ということを意識する必要があります。
改めて足りない点に気が付くことでもう一度1~4の項目を見直して知識を補強する必要があります。
技術士二次試験勉強法5つのまとめ
最後に5つの項目のまとめをしておきます。
最初は1~5まで行うのも大変ですが、順番に行う必要もありませんし、時間の配分も好きなように決めていただければいいと思います。
どれだけ自分に合った勉強ができるか。
足りないところを補強するも良し、得意を伸ばすのも良しです。その内、ピラミッド状に知識の幅は広がっていくと思われます。
自分の場合、これらを好きなように実行していました。
技術士の対策はどうしても方法が抽象的になってしまいます。そのため、ものすごく範囲が広いような気がします。
ですが、時間をかけてゆっくり知識を蓄えていけば大丈夫です。
技術士の資質として、継続研さんという言葉があります。
技術士たるもの、常に知識を吸収し続けなければなりません。
ということなのです。技術士試験はただの通過点です。
ただ、それ故に知識を吸収し続けていればその過程で合格できる試験です。そしてそれは技術士であるという心構えがある中ではずっと必要なことですので、合格してもしなくても勉強し続けることは変わりません。
どこか途中の段階で国のお墨付きがもらえる。というような感じです。
勉強のモチベーションとしては、新しい知識を得るのは楽しいな。という感じでした。
がんばっていきましょう。
ブログ書いているのも効果あり?
実際に具体的に試験対策になっているかどうか不安ではありましたが、色々な知識を得ることで幅広く対策できた。。。いや、結局知らない分野もあったので本番苦労しましたが、それでも合格点いただけたのは、知識の深みができていたからだと思っています。
また、何気に大きかったかなと思うのは、こんな感じでブログを書いていたことです。
文章の構成や、流れ、読みやすさなどは意識しているつもりです。(ちょっと小さく^^;)
論文とだからと言って技術のアピールだけで、読みにくい内容、構成では試験官も評価しにくいかと思います。
一人の人がたくさんの様々な試験論文を読んで評価する中、読みやすい。ということは大きなアピールポイントだったかもしれません。
知識的に全然足りず、1,800字中、1,500字程度しか書けなかった大問ⅢについてもA評価を頂けたことは、実のところそこかもしれない。
なんて思うこともあります。
全ては想像でしかありませんが、一つの要素として文章力も重要と考えてもいいと思います。
自分はこんな感じで技術士試験の対策をしてきました。
試験後は合格出来たらいいな~※ぐらいの手ごたえでしたが、無事合格することができました。
少しでも参考になればと思います。
※その後、試験で”目立つ空白があるとその時点で不合格”と聞いて、少し落ち込んでいたりしましたが大丈夫でした^^;
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