転職先で地下送り!電験3種を取得しての電験ドリーム

電験3種

電験ドリームという言葉を聞いたことがありますでしょうか。

電気系の難関資格である電験3種を取得することで、その先のキャリアに希望が持てる。

というような意味であると思います。

今回、管理人が経験した電験3種を持った状態で転職した先について話をしたいと思いますが、ショッキングなタイトルほど大したものではありません。(多分)

はっち
はっち

私は今生きています。(ぇ)

パワハラ天国の職場から脱出

以前、自分は設計関連の会社にいました。

ただ、そこで実際に0から設計をしていたわけではなく、あくまで設計したものを確認する監督のようなもの。

それに加えてコンサルのような仕事をしていたり、現場の監理をしていたりと様々。

そんな経験が重視される職場において、新人がすぐに役に立つわけありません。

色々ついて回り勉強したい気持ちはあっても、先輩は忙しい(?)ので教えてくれません。

これ読んどけ。

と辞書みたいな専門書を渡されて、理解できるほど頭もよくありません。

わからないことを聞こうとすると、

あぁ、そんなもん自分で調べろ!

と突き放され、インターネットで調べようとすると、

今のヤツは何でもインターネットで調べようとするなぁ!あぁ?

とけん制され、めんどくさそうに、書庫で調べろ、と再び専門書に逆戻り。

それでも少しずつ知識はついていくので何とかなるのですが、依然として大した仕事はできません。そんな中言われた言葉、

お前の仕事と飲み会とどっちが大事だと思ってんだ!

は自分の中で先輩からの迷言として一生残るでしょう。

もちろん飲み会の方が大事という意味

その先輩は、上司とのゴルフコンペのために、せっせとドラコン(※)の旗を作っていました。

(※ドライバーズコンテストの略 要は一番飛ばした人の勝ち 写真はイメージ)

電験3種はそんなやりきれない仕事の中、少しでも心のよりどころになればと思い受験しました。

仕事は面白い

そんな中ではありましたが、時間も経ってくるとやはり仕事を覚えてきます。

1人で仕事を担当できるようになり、客先にする提案などを考えるのは非常に面白かったです。

ただ、やはり忙しくなってくるもの。

係の人数も自分が入社したころと比較すると、4人の係が2人減り(残るは係長と自分)補充は無し。

業務量も多くなってきており、帰宅が終電の日も少なくありませんでした。

残業は45hを超えてつけることはできません。

そんな中でも飲み会は最優先事項として取り扱われていました。

 

私はお酒が飲めません。ですが、新人に飲み会を休むなんてことは許されません。

 

仕事は楽しくてもプレッシャーは大きいです。そしてそれ以上に飲み会の圧力がでかい。

仕事があるのに飲み会に出席しなければいけない。さらに幹事。

身体的にも無理をしていたことや、好きなことを楽しめなくなっていたこと。

また、会社の将来が見えにくいことから転職を決意しました。

整ったデスクワークから地下室へ

無事、転職先も決まり、退職届の提出。

引き留めはありましたが、受理していただけました。

色々ありましたがお世話になった職場。

年度末の忙しい時期を何とか超えて3月31日に退職です。

はっち
はっち

そして翌日から新職場(汗)

思えば有休使っておけばよかったなと思いました。

3月31日まで働いて、翌日新入社員って言われても中々切り替わりません。

ふわふわしながら入社式を終えて、上司と思われる人とタクシーで配属先へ。

そこで不穏な一言

今から案内するけど、なんというか、、、びっくりしないでね。

はっち
はっち

え?あ、はい。大丈夫です。がんばります!

そして配属先の建物に到着。まず最初に思ったことが。

古い。

色々とやっかいな雰囲気を感じました。

案内された先は薄暗い地下の機械室

ここが君の机だから。

はっち
はっち

え?ここですか?

薄暗い機械室には机が一つに固定電話が1台。パソコンなんてありません。

昭和の話ではありません。しっかり平成。2010年の出来事です。

地下送り

↑場所は違いますがこんな雰囲気

後ろでは冷温水発生機やボイラーがガウンガウンしています。

さらに奥には受変電設備の置いてある変電室と発電機室がありました。

この人に色々教わってください。

奥の発電機室からのっそり出てきた人はジャージ姿のおじいさん。

長年勤める電気主任技術者の方でした。

奥の発電機室を覗いて見ると、古いベッドにテレビが設置。

ベッドは長年使っているのか、その寝ている人の形にへこみができていました。

はっち
はっち

中途採用なんてこんなものか。。。

そう思ったことを思い出します。

配属先で地下送り!だけどもかなりホワイト

一通りのオリエンテーションを受けて、翌日その地下室に出勤。

挨拶して着替えるも。することが点検ぐらいしか無い。

それが終わると目の前の単結図を見ているだけ。

主任技術者のおじいさんからは、

何かあったら声かけるから。

とのこと。仕事しながら教えてくれるのでしょうけれども、その仕事が無い。

何でそんなところに自分が採用されたのかというと、

このジャージのおじいさんが定年退職だからだそう。

職場としても建物に電気主任技術者が必要だから置いている。

なので、居てくれればいい。

という環境になってしまっているようです。

そしてその人の代わりに電気をやれる人の募集を人事にお願いしていたところ、自分が採用されたようです。(電気設備の現場知識はほとんど0でしたが)

ただ、さすがにこのご時世でそれだけの募集の動機ではなく、数年後に特別高圧受電をする新しい建物を建設が竣工する予定。

そこに工事中から主任技術者として行ってほしい。ということのようでした。

新しい建物に引っ越しと同時に、古い建物は廃棄されます。

ジャージのおじいさんはそこまで働く予定の様でした。

ただ、働くといっても、トラブル対応と点検のみ。

更新計画もなく、壊れたら修繕を繰り返すのみです。

 

そんなやりがいのない職場でしたが、唯一救いだったのが、このジャージのおじいさんが厳しいですが優しい人でした。

ただし仕事はできません。(汗)

仕事ができないというよりも、やらないテクニックを駆使している。という感じ。

これぞ歴戦の技。この環境自体もその人が構築したのでしょう。

そのあたり、ついて回るうちに色々と知ることができたかなと思います。

何かやろうとするなら、建物全体をやるつもりで仕事しろ。できないならやるな。

おじいちゃんの名言です。

良くも悪くも心に残る言葉です。

実は電験3種は必要なかった?

結果として特別高圧受電設備の主任技術者として働き始めることになるのですが、しばらくして人事と話をしていたら。

あれ?電気技師ってみんな電気主任技術者になれるんじゃないの?

とか言ってました。笑い事じゃありません。

はっち
はっち

電気の人でも電験3種を持っている人は少ないんですよ。合格率10%切りますし。

へぇ~なんて言っていましたが、その数年後。

その懸念が見事に系列の建物で現実となり、電気技師として採用したら電験3種持っていなかった。という事態が発生しました。

大慌てで主任技術者を外部へ手配。当然、経済産業省への事務手続きも遅延しまくりだったそうです。

そんなてんやわんやの建物。採用された電気採用の方も前任からの引継ぎはほとんどなく手探りでやっていたためか、色々と事件、事故が起きていたことを風のうわさで聞いていました。

それらのプレッシャーがその人に相当重くのしかかっていたそうです。

そして、まさか数年後に自分がその建物の面倒を見ることになるとは思っていませんでしたが、それはまた別の話。。。

 

と、まぁそんな雰囲気ですので、電気の仕事も基本上司からもほったらかし。

はっち
はっち

自ら動かないと何も成長しない。

と思い、技師としての立場を利用して様々な会議などに参加して、少なからず知識を得るようにしてきました。

結果として、色々なところで顔が利くようになり、また技術士としての素養も得られることになったものと思っています。

転職によって待遇はどうなった?

最初に電験ドリームと書いているので、転職によってどう待遇などが変わったかについて書いていきたいと思います。

給与 → 残業無しでも前職の残業有と同じぐらいの水準。昇給あり。
仕事 → 残業少ない。さすがに新しい建物竣工時は余裕で100hは超えましたが一過性のものです。
パワハラ → ほぼ無し。おじいちゃんは厳しいけど優しいのでOK。上司からはお任せされてる感じ。
飲み会 → ほぼ無し。これ、本当に天国。
プレッシャー →  これは電気主任技術者をする以上しょうがないかなと思います。

ドリームというには規模が小さい話ですが、こういう職場は、そこでどう仕事するか、が電気主任技術者として大事なことかなと思います。

やらなければ、やらないでも大丈夫。

やるのであれば、どこまででも広く行うことができます。

当然、実力をつけるためには広く仕事をして経験を積まないといけません。

それを望まず、だらーりと仕事するのも一つの方法ですし、そういう人も系列で多くいました。

ただ、それでも電験3種を取得している人たちです。

先ほどの別の建物の話のように、3種を持っていなくても採用されたケースはありますが、それほど多くないでしょう。

電験取得は電験ドリームとまではいかなくても、環境を変える力はあります。

一歩踏み出すためにも挑戦してみるのも良いのではないでしょうか。

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