こんにちは、はっちです。
今回は電験1種一次試験の受験体験記(2回目)も最終回。
機械科目も終わり、最後の法規科目と得点調整の予想です。
この法規科目は、前回の2年前は比較的点数が取れたため、今回もそれなりにいけるのでは?と考えてしまい、勉強に対しても若干気を抜いていました。
そんな思いを打ち砕く問題が出題されるとは知らず。
「1種なのに・・・」というのが法規科目の感想です。
前回までの記事です。
電験1種一次試験最後の科目 法規
法規科目の時間は他の科目の1時間半と違い、制限時間は65分です。
時間は16:25~17:30。時間を遅くなってきており疲れも出てくる時間です。
ただ、計算問題はあまり出ないため、知識があれば、大丈夫。と思っていました。
問1 電気に関する法律の目的 難易度2
各電気関連法律の目的に関する問題が出題されました。
穴抜きされている個所が広かったり狭かったり。
条文をある程度覚えていないと迷う選択肢がしっかり用意されており、法律の目的という基本的な部分ではありながらも、きちっと答えるのは中々難しかったのではないかと思います。
問2 高圧低圧電力保安通信線に関する問題 難易度4
保安通信線についてはある程度見ていたつもりでしたが、〇kN以上、〇mm以上の硬銅線など、久しく見ていないところから出題されました。
細かな数値が出題されると途端に弱くなります。
気持ちの中に、まぁその時調べればいいじゃん。というのがあるのだと思います。
問3 高圧・低圧の絶縁性能と絶縁耐力試験に関する問題 難易度1
3種などで良く見かける低圧回路の絶縁抵抗値の表ですね。
漏えい電流に関する問題や、絶縁性能に関する問題が出題されました。
内容は3種でもよく見かける問題ですが、計算問題でも出題される高圧部分からの出題でした。
問4 高圧低圧電線の引き込みなどに関する問題 難易度2
事故の復旧から報告、内容まで幅広く出題されています。法律の条文もあり知っておいた方が良い内容ではあります。
高圧ケーブルの事故は近年増加しているため、この辺りも怪しいとにらんでいましたが、まさかの法規科目での出題でした。
B問題 問5 低圧・高圧保安工事に関する連鎖倒壊の問題 難易度4
数値を聞いてくるところが多く、ある程度正しく覚えている必要があります。
低圧、高圧架空電線路の支持物の連鎖倒壊についての範囲は過去にも似たような出題がありましたが、法律の中の言葉だけでは一体何がどうなっているのか、高圧なのか特別高圧なのかなども違い、非常に理解がしにくく難しい範囲です。
配点の高いB問題でこれは厳しい。
問5 バスダクト工事及びケーブル工事に関する問題 難易度3
垂直に取り付ける場合は〇m、金属製部分の長さが〇m以下のもの、設置の場所など電気工事の範囲を問われました。
数値を聞かれる場所も多く、受験者にとってはかなり厳しい問題であったのではないかと思います。
問4、問5のB問題(配点40点)はどちらもあまり過去に出題されていない範囲であり、昔やったかも・・・ぐらいな認識であったため、ここでかなり苦戦を強いられることになりました。
確かに1種の範囲だけど・・・
今回は施工の範囲の問題が多いな。と進めていきましたが、
きっと次は広域的な施設管理が出題されるはず!
とページをめくりましたが、最後も施工に関する問題であり、かなり驚かされました。
振り返ってみると、全問題、低圧・高圧の部分しか出題されていません。
これは厳しい。
ちなみにR6年2種法規も同様に高圧低圧の範囲からの出題でした。
正直1種、2種は特別高圧を中心に勉強している人が多いと思われる中、同じ範囲内とはいえ、かなり偏った出題だったかと思います。
これらは3種では良く見かける問題ではありますが、1種、2種ではあまり見かけませんし、新たに1種で追加される、特別高圧の中でも超高圧や広域運用の範囲については一切出題が無い、というのは見たことがありませんでした。
確かに全てを出来なければいけないと思うのですが、さすがにこれは厳しかったです。。。
試験中なんとか字面から□に入る言葉を類推しようとしますが、やっぱり分かりません。
法規の時間で最後まで時間いっぱい、今まで読んできた法律の文章の流れから、想定される文章を類推することになるとは思いませんでした。
今年の法規の問題は、好き嫌いが本当に分かれると思います。
私は現場の主任技術者ですが、電力系統寄りの話が好きなので、今回のような問題はかなり厳しかったです。
また電力会社に勤めている方にとっても非常に厳しい問題だったのではないかと思います。
法規合格ラインの調整はありそう?
今回の法規科目は難しいととらえる人は多いでしょうけれども、
そうでもない。
と感じる人も多いかと思います。
ただその恩恵を受けられた人というのは、それほど多くないと考えられ、受験者のおおよそ5%程度かと思われます。
表は、電験受験申込者の内訳(令和4年度)です。
赤枠で囲った範囲が、若干得意な範囲が多かったのではないか?と思われる電気工事会社範囲ですが、全体数としてはわずかです。
さらに、実際に身近な範囲から出題されたとしても、携わっていなければ分かりません。
送電線の工事をしている人に、今回のようなバスダクトについて尋ねられても厳しいかと思われます。
そもそもバスダクトと言われて何か分かる人も少ないかもしれません。
また、携わっていたとしても、工事で扱う材料、工法が多く覚えていられるかどうかということもあります。
一方で、比較的受験者数の多い(10%程度)、現場の保守的な絶縁抵抗測定の話や、高圧ケーブルの劣化についても出題されましたし、電力会社の中でも一部の人には送電線と鉄塔の話や保安工事の仕事としている人もいるかと思います。
そういう点からすると、合格ラインは48~46点にならないかなと思っています。
いつかの理論科目のように、劇的に下がる(34点とか)ということはないかと思います。
帰りは受験者同士で飲み(コーヒー)に
試験が終わると、やはり色々と話をしたくなるものです^^
帰り際、何人か知り合いの方が会場にいらっしゃいまして、コーヒーに誘っていただきました。
メンバーは電力会社、電験講師、電気工事士、電気主任技術者と同じ電気でも様々な職種が集まり、それぞれが、得意な分野を持ち、色々な問題に関する感想を持っていたので面白かったです。
禁止ワード:問題の答え合わせ(苦笑)
窓際の席に座り、電柱に装架されている電気工作物を見て、あれはどういうルートで敷地内に入っているか。あのあたりに変電があるはず。責任分界点ってどこなんだろう?など。
あぁだ、こうだ、あれは高圧だ低圧だと話しをするのは電気あるあるではないでしょうか。
1種一次試験 自己採点の結果
個人的な試験の出来栄えとしては、理論△、電力〇、機械〇、法規×といった感じでした。
法規は厳しい。2択まで絞ってそれがどれだけあっているか。(´・ω・)運だね
理論は序盤の計算ミスなどで一気にやられる可能性もあります。
難易度としては5段階で評価すれば難易度は、理論4、電力3、機械3、法規3という印象です。
もちろん感じ方は人それぞれだと思います。(法規は苦手な人は苦手でしょうけれども、得意な人は点数が取り易いと思います。)
そして試験の翌日。
心臓バクバクの不安の中、自己採点した結果です。
電験1種は点数調整が無ければ48点以上で合格です。
電力:60点/80(75%)
機械:73点/80(約91%)
法規:51点/80(約64%)
やはり予想通り法規科目が危険ラインでしたが、おそらく大丈夫そうです。
理論もまた、出題者の意図通りではないか?と思うような誘われたミスで連鎖的に倒壊(コラ)しており、危うく合格ラインを割ってしまうところでした。
法規の採点は本当にどきどきでした。
前半の問1~4のA問題は8~9割取れていたので、おっ?おっ?と思いましたが、配点が2倍のB問題2問で正答率が4割程度となり、結果6割に近い点数になってしまいました。
一方で比較的点数の取れた電力、機械ですが、両方とも勘違いが無ければもう少し行けたかな。という感じがします。このあたりはスパイラー特有の二次試験の勉強の成果なのだろうと思います。(言ってて悲しい)
機械科目は今まで取ったことの無いような点数が取れましたが、これは問題の相性です。
苦手な分野が出題されなかったというだけで、ダメなときはやはり点数を削られてしまいます。
初回受験時は理論と機械科目が一番のネックだと思って臨んでいました。
ちなみに2年前の初回受験時の様子はコチラ(´・ω・)今年より点数いいじゃん・・・
1種試験は範囲は広く、内容も深い問題が多いため、合格には問題運も絡んできます。
合格点に届かなかったから、ダメというだけではなく、電験1種は専門性が高く、特異な分野からの出題でも難しい傾向があります。
そういう範囲でも解いてくる人がいるのが1種かなと思いますが、やはりそれは一部の人です。
何度か挑戦していると自分に合った問題が出題され、合格できる年がくるはずです。
合格しても勉強が必要。
そういう思いで挑戦をし続ける必要があるのかなと思います。
9月2日(月)の12時から、電験3種、2種、1種一次試験の合格発表です。
時間すぐには混雑する可能性がありますので、つながらない場合は少し時間をおけば大抵大丈夫です。
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