電気主任技術者の資格の中でも最難関の電験1種試験。
合格率8%前後の電験3種の上位互換資格でもある電験2種。さらにその上の1種試験は神の領域とも言われています。
こちらも電験2種、3種同様に一発合格率などは公表されておりません。
そこで公表されているデータから一発で合格した人はどれぐらいなのか想定してみたいと思います。
電験3種の一発合格率についてはこちらで検証しています。
電験2種の一発合格率についてはこちらで検証しています。
電験1種一発合格率の検証
正直なところ検証というほど大したものではありませんが、まず公表されているデータを見ていきたいと思います。
電験1種一次試験の合格率は表にするとこちら。
平均して25.0%になりました。2020年度は異常に高い合格率です。
電験3種の場合8.3%ほどですので、それに比べるとかなり高めですが、電験2種とはほとんど変わりはありません。
やはり1種ともなると、ずっと勉強を続けられる人が目指す資格ですので、一次試験は合格率がかなり高くなっています。
この結果は多年度合格者も含まれており、さらにこの先に二次試験が含まれています。
二次試験には科目合格はありませんので、二次試験合格率はそのまま使用することができそうです。
電験1種の最大の難関二次試験の結果はおおよそ14%程度の合格率のようです。
難関の一次試験を突破した23%程度の中から、さらに14%の合格率ではなく、この14%の中には、前年度一次試験を突破して、二次試験二回目のチャレンジの人も含まれています。単純に掛け算しても併せて3.2%程度の合格率になりますが、実際にはこれより低くなります。
これを踏まえて一次試験の一発合格率を見ていきたいと思います。
合格者の内訳が受験者の内訳と等しいと仮定する。
電気技術者試験センターからアンケート結果が公表されていました。その中に、何回目の受験かということを出ていましたのでそこから絞ってみたいと思います。
※ 電気技術者試験センターより
受験者の割合が初回の人が19.7%、2回目の人が15.8%、3回目以上の人が64.5%でした。
過去の合格者平均が372人であるから、この合格者の受験回数の内訳が仮に受験者の受験回数の割合と同様と考えると、
一発で合格した人が73名になります。
全受験者数平均1,616人からすると、73人は4.53%になります。
本来であれば複数回受験者の方が初回受験者よりも試験突破率は高いと思われるので4.53%よりも低くなると思われますが、これより高くなることは無いのではないでしょうか。
二次試験の一発合格率を考える
二次試験の受験者の中には、前年度一次試験を合格した人もいます。
今年の場合、一次試験を合格した人が379人。二次試験受験者は598人となっているため、219人ほどは昨年度一次試験合格者と思われます。
これらを公表されているデータの平均を取ると、おおよそ60.8%がその年の一次試験合格者とわかります。
その結果から、
(一次試験一発合格率)×(二次試験受験者中、その年の一次試験合格者の割合)×(二次試験合格率)=(電験1種一発合格率)
とすると、おおよそ0.38%となりました。
電験1種一発合格率のまとめ
一次試験において初回受験者よりも複数回受験者の方が合格率は高いだろう、という想定の基であれば、一次試験一発合格率は4.53%以下ということはおおよそ大丈夫かなと思います。
さらに今回一発合格率として出した二次試験合格者の中には、一次試験合格後、二次試験を2回落ち、再度一次試験を受験した人も含まれてしまっています。
今回出した一発合格率0.38%というとんでもなく低いにもかかわらず、おおよそ想定できる上限値であると思います。
人数にすると年間でたったの6人ほど。
もちろん一発で合格した人が最優秀なわけではありません。高得点で合格した人が最優秀者です。ですが、それでも年間でたったの6人(以下)に入るというのは、とてもすごいことだと思われます。
本来資格試験はその道の登竜門的な位置づけだと思われるのですが、電験1種試験に至っては、その道の神のような扱いです。
実際にそれだけの実力の持ち主だと思いますし、合格率もそれを後押ししているようです。
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