電験2種一次試験の合格率は、同じ科目数の3種と比較しても高めです。
ですが簡単とは言えません。3種を十分な点数で合格した方は2種を目指してもいいかなと思うのですが、やはりそれだけの努力が必要です。
今後の勉強の目安になればと思い、資料として電気技術者試験センターより公開されている資料から難易度や合格点数をまとめましたのでご活用ください。
電験2種一次試験科目毎の合格率の推移
今回は科目ごとにピックアップしたものを掲載しています。
電験2種一次試験、二次試験全体の合格率、合格ラインの変遷についてはこちらをご覧ください。
使用しているのは科目合格率のデータから抽出しています。
次は合格点数の推移です。
各年度毎の過去問全体の難易度の見方として見ていただければと思い、次からこの表をグラフにして各科目ごとに表しています。
電験2種 理論科目
電験2種一次試験理論科目の合格率の推移は次のようになっています。グラフは上限が100%になっています。
以降に出てきますが、他の科目に比べてみると半分以下の合格率になっており、安定的に難しい科目として2種一次試験の大きな壁となっています。
微分積分も当然のように出題され、電験2種一次試験の最難関科目と言っていいと思います。
合格ライン(最大54点)は以下のようになっています。
続いて出てきますが、合格ラインも他の科目に比べて上下動がかなり大きいですが、近年得点調整はほとんど起きていません。一番低い42点の時は90点満点で6割合格のはずが、5割よりもさらに下回っている時も以前はありました。
微分積分に加えてベクトルやラプラス変換など高度な電気数学が要求されるからかもしれません。
※ 赤線は標準の合格ライン(調整無し)です。
2種一次試験は各科目とも3種よりも大幅に合格率が上がっていますが、やはり3種合格して、さらに先を目指そうとしている人というのはモチベーションも高いのだと思います。
電験2種 電力科目の合格率
電験2種電力科目の合格率は次のようになっています。
合格率は一次試験の中で一番高くなっていますが、その合格率の差は倍程度あり、難易度に大きな差がありそうです。過去問に取り組む際は年度に注意してください。
R5年(2023年)は全体的に難しい印象でしたので、この結果はやはり、というところ。
合格点数(最大54点)は次のようになっています。
合格ラインはそれほど動いていません。6割の正答率は欲しいところです。
電験2種 機械科目の合格率
電験2種機械科目の合格率は次のようになります。
少し前の年度に比べると、全体的に合格率は上昇してきているようです。
3種では苦手意識の多い機械科目ですが、この機械科目は、しっかり基礎ができれば、どんどん応用させていくことができます。そのため、得意な分野になってくる人も多いのではないでしょうか。
合格ライン(最大54点)は以下のように推移しています。
難しいときはかなり難しいイメージです。調整の入り方も大きく、過去問の難易度差が伺えるようです。
近年易化傾向があります。ただ理解しにくい上に、範囲が広いため油断禁物です。
電験2種 法規科目の合格率
電験2種法規科目の合格率は次のようになっています。
R5年(2023年)では大きく合格率が上昇しました。比較的点数が取りやすい問題が出題されていますが、やはりイレギュラーだった様子。5割~6割程度のところで推移しそうな感じです。
合格ライン(最大54点)は以下のようになっています。
安定して高い合格率ですが、調整の幅が大きい時があります。
法規と言えども電気事業法だけでなく、電技の解釈、ガイドラインなどからも引用されているので、主任技術者として必要な法律の知識を幅広く勉強する必要があります。
平成23年に技術基準の大改正がありました。できるだけ新しいテキストが望ましいですが、最低でも平成23年以降出版の参考書を使うようにしてください。
電験2種一次試験の合格率の高さに注意
電験3種も電験2種一次試験もどちらも4科目合格に加えて、科目合格制度が採用されていますが、その合格率は3種で平均10.4%、2種一次試験で平均24.5%とかなり高くなっています。
考えられる理由としては、2種を目指す人の多くが3種の延長で勉強しているからかもしれません。より上を目指す人の勤勉さが数字に出ているようです。
もう一つとして、あまり考えたくはないですが、電験2種は二次試験がありますが、一次試験合格の猶予期間はその年を含めて2年です。
2回のチャレンジで合格率平均15%程度の試験を合格しなければならず、残念な結果になってしまえば再び一次試験から始めなければいけません。
一度合格している人の一次試験合格率は比較的高いものと想像できます。
高めの合格率に惑わされることなく、自分のできる勉強を進めていっていただければと思います。
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