今回は電験第2種一次試験”電力”についてです。
2種の一次試験は電力は同科目中の機械科目と共にさほど計算問題は出題されません。
一方で、知識を問う問題が非常に多くなっています。
では、3種に比べてどれぐらい難しくなっているのでしょうか。合格率が比較的高い科目ですが、油断は禁物です。
詳しく見ていきたいと思います。
2種一次試験の電力が簡単だと勘違いする3つの理由
まずは電験2種電力科目の科目合格率です。
理論がの科目合格率が2割を切っているところと比べると、4割近い科目合格率はそれでも高いと言えます。
最新の2種一次試験電力科目の合格点数、合格率については下記リンク参照

これだけ見ると簡単そうなイメージが出来ますが、実際にはそうではありません。
2種電力が難しい理由2つ目 3種合格のレベル
電力が難しいと感じる理由の一つは電験3種の上位互換であること。
2種の受験をする人の多くが電験3種を取得した後、2種の取得を目指します。
そのため、3種の知識がかなり活かせます。その中でも電力、機械、法規については3種の知識の延長であるため、勉強した知識が活かしやすい分野です。しっかり3種受験時にしっかり努力して勉強していた方ほど、ここを通過するのは容易かと思われます。
3種合格段階で2種を視野に入れている人は、このような人が多いのではないでしょうか。
逆に言えば、自分のように3種受験時にぎりぎりで合格しているような人は、かなり努力が必要です。特に、

試験を受かればいいや。
と電力の問題を解けるように表面をなぞっただけの方は苦労します。
自分がどちらに分類に入るのか?と思う方は、一度過去問を解いてみるといいです。

私は問1であきらめました。
電力の分野は、目に見えない電気の世界でも、どんなものか?というのが直感的にわかりやすい分野。その覚えやすさも相まって比較的高めの合格率になっていますが、内容は3種より高度な知識を求められます。
合格率見て、半数以上の人が受かってるじゃん。となめてかかると痛い目にあいます。
3つ目の理由 電力関係の就業率の高さ
3種を受験する人の中で、電力会社に勤務されている方は10.6%と他に勤務されている方と比べてそれほど多くありません。
一方で2種になるとその割合は23.5%。1種に至っては40.1%とその割合はダントツに多くなります。
(参考:電気技術者試験センター)
電力会社に勤めていらっしゃる方すべてが当てはまるわけではありませんが、やはり実務や研修を通じて実際の電力機器に触れる機会は他の人に比べて多くなるでしょう。
とにかくイメージのつきにくい電気の世界で、物がイメージできるというのは非常に強みになります。

変圧器はお団子。
と覚えていた自分にはとてもうらやましいことです。(3種受験時)
電力の勉強の流れと使用したおすすめの参考書
10数年間勉強というものをしてこなかった自分には高度な参考書を手に取ることは無理でした。
そこで、電験2種の参考書の中でもわかりやすいと評判のこれだけシリーズで勉強しました。
ですが、正直な話、これでも難しくて読んでいられませんでした。
それで、手にした本はコチラ。
もうね、なりふり構っていられなかったです。
3種を受験する人でも見ないかも知れないレベルかと思いましたが、自分がそれ以下だと認めなくてはいけませんでした。
もう2種受験の申し込みしてしまってます。
少しでも理解を深める必要がありましたので、その入口部分の勉強から始める必要があると考えました。
電力科目の理解度については以下のように推移しました。
その後、これだけシリーズに戻り、わからないながらもなんとか1周することができました。
その後、他の科目を勉強してからこれだけシリーズに再び戻ってきた2周め。
色々なところで他の科目と繋がりがあることがわかり飛躍的に理解度が高まりました。
あいも変わらず交流励磁の同期発電機などはさっぱりわかりませんでしたが、揚水発電の意味や、火力、原子力の仕組みなどを学ぶことができるようになりました。
遠回りのようで基本も基本から勉強することで、全体的な電力の理解が進みます。
※ 基本すぎるというのはおいておいてください。
また幸いなことに電験2種一次試験で計算問題はあまり出ません。短期間で合格を目指す自分としてはこの事実は大きいです。
二次試験では凶悪な計算問題が控えていますので、何もしないのも不安ですが、ここは割り切って進みます。正直、他の科目の方が危険ですので。
電力科目2周目終了。過去問に取り組む。
これだけシリーズをようやく2周。さすがに過去問も多少は解けるのではないか!?

科目合格率も高いし!きっと電力なら!
電力なら簡単だと思っていました。まだこの時は。
と挑んだ電験2種電力一次試験過去問。
見事に玉砕。
38点だったかと思います。(54点合格)
38点という点数は、少なくとも半分以上わかっていません。
理解したような気がしていましたが、気がしていただけでした。
電験2種を甘く見ていました。
大抵の資格試験は、
参考書をやっておけば大丈夫。
という認識でしたが、
電験2種は、範囲が広すぎ、深すぎるためか、参考書を覚えるレベルでは足りません。
如何に参考書レベルを抜け出し、幅広く自分で勉強するか?
特に使用したこれだけ電力は3種の範囲から解説してくれます。この電力科目においては、3種レベルの解説で2種まで解説してくれます。
とてもありがたい参考書でした。
余裕があればやってみたいものです。
まだまだ3週目
そして、さらなる理解を求めてこれだけシリーズ3周目に突入です。
一次試験の電力には計算が無いため、参考書を一周するのが早いです。時間的にも3ヶ月で3周はできるのではないかと思います。
依然として細かなところはわからないままでしたが、そこはもう諦めて覚える。交流励磁とか(汗)
そうして終えた3周目。
再び過去問に取り組むと。
解けました。
わからない問題はさっぱりですが(ぇ)わかるようになったことを実感しました。
より他の科目とのつながりも強く実感してきました。
このとき試験数日前。
なんとか間に合ったのでは?と思いました。
二次試験でも使える電力科目の範囲。
電力の範囲で二次試験に出ない、という範囲は無いと言っても言い過ぎではないでしょう。
計算問題として燃料電池の問題が出にくいかも知れませんが、日進月歩の電池業界。
そういう分野は論述問題として出やすい傾向もあります。
逆に言えば、深く理解しておくことで、二次試験論述対策にもなります。
選択肢からの穴埋めだけに終始せず、選択肢無しで回答できるように文章を理解できるようにしておくことが二次試験対策にも望ましいです。
まとめ
電力だから。合格率高いからなんとかなる。
と思っていると足元をすくわれるかもしれません。
参考書は解らなくてもいいので、しっかり読み込む。
インターネットなどを使い、周辺情報も取り込む。
過去問は実力を測る意味でも大事だが、そこで覚えることのほうがもっと大事。
電気は非常に身近なものでありながら、目に見えないものということで非常に難しい分野になってしまいます。
それでも電力分野についてはわかりやすい分野でもあります。
都会でもなければ、空を見上げれば鉄塔があり電線があります。よく見ると様々な機器で構成された電柱。
じっくり見てそれぞれの役割がわかるようになれば、電力範囲の理解も深まると思います。
頑張って油断せずに勉強して損は無い分野です。
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