こんにちは、はっちです。
今回は、電験2種一次試験 解答速報アベンジャーズに参加して、問題を解かせていただきましたので、今年の感想と印象に残った問題などを紹介したいと思います。
知識問題だけでない理論科目は詳細を見つつ、他の科目は全体的な感想と合格ラインを予想しています。
それでは科目毎に見ていきたいと思います。
電験2種 最大の難関 理論
電験2種一次試験の中でも最も合格率の低い理論科目。
ここを切り抜けられるかどうかは、他の科目にも影響が出そうです。
A問題 問1 一次関数系を持つ誘電体の電荷 難易度 ☆★★★★
いきなりきました、出鼻を挫く難易度の高い問題。
電験2種以上の理論科目は問1、問2で心をへし折ってくる傾向にあるようです(?)
通常の円筒電界かと思いきや、誘電体が一次関数によって変化する仕様。
柔軟な発想と落ち着いて考えて計算していく必要があります。
ただ、これ1問目なんですよね。
試験開始早々この問題に落ち着いて取り組めるかというと、そうではない人が多いと思われます。
苦戦した方も多いのではないでしょうか。
管理人の令和元年度に受験した時の感想(ぽきぽきに折れてます)
問2 直線電流の作る磁界と長方形コイル 難易度 ☆☆★★★
続く問2もかなり難しい分類です。
問題文も長く途中では微分式も出てくるため面くらってしまう人も多いかもしれません。
ただ、内容は2種理論では良く出てきそうな内容です。
落ち着いて考えることができれば正答できるかもしれません。落ち着ければですが・・・
制限時間の厳しい試験の怖いところですよね。
問3 直流2端子間回路 難易度 ☆☆☆★★
二端子対抵抗回路。と言ってしまえば難しい気がしますが、普通の並列回路です。
\(V_1\)、\(V_2\)、\(V_m\)の位置に惑わされないように、計算していき答えを導きましょう。
ややこしいというのは試験中にはミスを呼ぶため、落ち着いていきましょう。
問4 テブナンの定理を使った正弦波交流回路 難易度 ☆☆☆☆★
テブナンの定理の使い方が身についていれば難なく解ける問題ではありますが、導出する数値が似たような数値になるため、この問題もミスに惑わされやすいです。
難しくはないのですが確実に点を取らなければいけないので焦りに注意です。
B問題 問5 初期値のある直流過渡現象 難易度 ☆☆☆★★
この問題も難易度は高くありませんが、落ち着いて回路の状態を見ていく必要があります。
ただ、、、うーん。2種の受験者に取ってはサービス問題でしょうか。
問6 交流電界中の電子の運動 難易度 ☆☆★★★
通常、直流電界中であることが多いですが、2種以上になると交流電界の問題や複合される問題も多くなります。
知らないと、え?交流?となってしまうのですが、知っていれば問題文を読み進めることができます。
後は、読解力。
誘導に沿って立式していくことで、どのように電子が運動するかが見えてきます。
問7 MOSFETの組み合わせ問題 難易度 ☆☆★★★
これも見るからにうっ!と思う問題ですが、MOSFETはスイッチ。という認識ができればさほど難しくありません。
ONとOFFの状態を整理してどこが導通していくのかを見ながら問題を解いていきましょう。
問8 熱電形交流電力計 難易度 ☆☆★★★
これも難しそうに見える問題です。しっかり解こうとすると難しいと思いますが、選択肢がそこまで要求していません。
電流の流れを整理すれば難しい問題ではありません。
理論まとめ
全体的に、難しいと感じさせる問題が多い印象です。そしてそれと相まって襲ってくるのが試験時間です。この二つに打ち勝つには、やはり演習量が必要かと思います。
幅広い分野の勉強をして、問題を知り、落ち着いて問題文を読めば解ける問題が多いです。
電験2種一次試験最難関にふさわしい問題だなという印象でした。
ただそうは言っても、合格点予想は54点(/90点)です。
電験2種 一次試験 電力 難易度 ☆★★★★
今年の2種一次試験の問題はかなり電力らしい問題であり、発電所や送電線などの系統側の問題が多く、3種からのレベルアップを感じられる問題です。
特に問4の問題は1種試験に近い考え方です。じっくり意味を考えると面白いかもしれませんが、当時の自分では、想像も付かない内容です。難しい。
また問1もかなり現場に精通していないと難しい問題です。水力発電におけるPMGが何者か、65Pや65Fそれぞれの役割を知って、ようやく解答できます。
電力の問においては、問ごとのテーマに沿って穴埋め問題が出題されますので、全部分からないことも多いです。
各問題1問~2問は分からなくてもしょうがない。
ぐらいの気持ちで臨むのが精神的にも楽かと思います。
予想合格点は52~54点(/90点)です。
印象に残った問題(というか文章)
ここの(5)を自信を持って埋められる人は、幅広く勉強されている方かと思います。
回転系を持たない発電設備をどのように運用していくか。
大きな問題であり、系統運用には欠かすことができない視点です。
A、同期化力が低下
電験2種 一次試験 機械 難易度 ☆☆★★★
電力科目から一転して機械科目のA問題は比較的難易度の低い問題が出題されました。
強いて言えば、問4の三相サイリスタ整流器の問題(1)ですが、それ以外は制御遅れ角と直流チョッパの内容を理解していれば問題ありません。
B問題については、照明の知識、熱の知識が問われ、勉強が不足しがちな分野が狙われた気がします。難易度は高めです。
そして、二次電池の問題も比較的難しい。計算問題で若干手間取った人も多いのではないでしょうか。
一方で問8の情報系の問題はメモリ(SRAMとDRAM)に関する問題でした。難易度は易しい。。。のですが、電験の勉強をメインにしていると、情報系は非常に範囲が広く勉強がしにくい範囲です。
得意な人はこの最後の問8は5分もかからずに満点が取れたかと思います。
合格予想点数は54点(/90点)です。
印象に残った問題(の一部)
いつもこの充電か放電かで迷います。
負極は電子を放出する向きが放電だから。。。あれ?放出って何がどこに?
とか考えてしまうことが多いです。今回のように半反応式が書いてあれば比較的易しいですが、何もヒントが無いと辛いです。
電子e-が出ている方向が放電ですね。毎度毎度整理しながら考えないといけません。
電験2種 一次試験 法規 難易度 ☆☆★★★
A問題は比較的勉強しやすい箇所からの出題が多く、受験生も解きやすかったのではないかと思います。
ただ、B問題はそうはいきませんでした。
太陽光発電設備設置基準からの出題。国際規格IECの適用の問題。分散型電源と参考書でも扱われにくい分野から多く出題されました。
A問題で点数を稼いで、後は問毎に2~3問正解できればというところでしょうか。
合格予想点数は54点(/90点)です。
印象に残った内容
太陽光設置基準もそうですが、三相短絡接地器具、IEC関連規定など、現場に近いところからの出題が目立ちました。ただ一方で現場を知らなくても考えやすい問題が多かった気がします。
また、太陽光発電設備の小規模事業用発電設備の適用は出そうかと思いましたが、まさかの設置基準からかとは思いませんでした。
幅広く知識を得ていくことが大事ですが、中々そこに気が回せる余裕がある人は少ないと思います。
当たったらラッキーぐらいで見つつ、持ってる知識で選択肢を吟味していくのが大事です。
電験2種一次試験 アベンジャーズとして参戦した感想
お疲れさまでした。
電験2種の一次試験は、3種と違ってテーマ毎に問が出されますので、頭があっちにいったりこっちにいったりしないので、比較的私のようなおっさんには解きやすいのかも、と思ってしまいました(~_~;)
全体の感想としては、全体的に配点の高いA問題に解きやすい問題が多く出題されたため、合格率は上がりそうな感じがします。
ただ、気になるのは電力科目。
例年電力科目は合格率が高い傾向にあります。
ただ、それは2種以降受験者層が電力関係の仕事に従事している人の比率が上がるだけで、難易度としては簡単なわけではありません。それが今年、かなり電力系統寄りになり、難易度も上がったことで一気に合格率が下がる可能性もあります。
結果として、理論を除いて似たような合格率になるかなという感じです。理論は例年通り合格率は低いものと思われます。
結果はWEBで9月4日(月)の正午に発表されます。二次試験まではあまり時間はありません。
可能性のある方は2次試験の勉強をしておかないと間に合わないかもしれません。
がんばっていきましょう。
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